2015年3月8日(日)、「日本自然保護大賞」の授賞式と受賞活動の発表会を東京の日比谷コンベンションホール(千代田区)で開催しました。 受賞関係者や聴講者など約100名が集まり、受賞7団体(個人を含む)の代表が活動を発表しました。 非常に多くの学びと感動を与えてくださった活動発表の動画を公開しました。授賞式の開催報告とあわせ、ぜひご覧ください。(日本自然保護協会 YouTubeチャンネルからの視聴はこちら)
開会のご挨拶では、選考委員長の日本自然保護協会理事長の亀山章より、多くの方々のご応募と、ご支援のご協力をいただき、日本自然保護大賞の創設ができましたこと、日比谷公園の歴史や文化を踏まえこの地に全国より、受賞された方々にお集まりいただき授賞式を開催できる運びとなったことへの御礼と、選考の総評を述べました。
保護実践部門で大賞に輝いた河北潟湖沼研究所(石川県津幡町)は受賞活動である 「生きもの元気米を生み、生物多様性保全の道標となった河北潟レッドデータブック」の取り組みを発表しました。河北潟の野生生物は待ったなしの危機的現状と、市民目線の具体的な保全提案を行ったひと味もふた味も違う絶滅危惧リストの報告書作成が、地域の水田をブランド米生産の場に引き上げるまでに発展した活動に注目が集まりました。
教育普及部門で大賞に輝いた全国草原再生ネットワーク(島根県大田市)は受賞活動である 「草原の価値・意義の再評価とその啓発による保全と再生」の取り組みについて発表しました。草原の保全・再生活動を行うNGO、自治体、個人をつなぐ、いわばBtoBのネットワーク型の活動を展開し、ともすると孤立しがちな地域の活動を下支えして全国の草原保全活動を盛り上げてきた推進力が賞賛されました。
地域の活力部門で大賞に輝いた湖西夢ふるさとワイワイ倶楽部(滋賀県高島市)は受賞活動である 「竹林再生整備体験をエコツアープログラム化した「新竹取物語」」の取り組みについて発表しました。荒廃した竹林再生から、教育、食、ものづくり、エコツーリズム、教育旅行や企業研修の受け入れにまで大きく広がってきた活動に感嘆の声が上がりました。
東北復興貢献部門で大賞に輝いた仙台の高校生で考える防潮堤の会(宮城県仙台市)の学生のみなさんは、受賞活動である 「高校生による、仙台市蒲生北部の将来像の提案」の取り組みについて発表しました。県や市の防潮堤建設計画で次々と課題が浮かび上がる中、ユニークな発想で地域の自然と文化と命を守る防災公園という対案を出し続けてきた、高校生の行動力が素晴らしいと参加者からも絶賛されました。
企業・団体リーダー部門で大賞に輝いた中越パルプ工業株式会社(富山県高岡市、東京都中央区)は、受賞活動である 「日本の森と里山を守り、人と生物を育む紙「里山物語」」の取り組みについて発表し、B to Bの業態でありながら、本業の中で生物多様性の保全に貢献し続けるしくみをつくり、紙を使うあらゆる組織がサプライチェーンの中でその保全活動に参加できることが注目されました。
子ども・学生部門で大賞に輝いた藤原結菜(山口県美祢市・小6)さんは、受賞活動である 「コンクリート側溝に落ちたカエルを救う「お助け!シュロの糸」の考案と、現場での実証・実践活動」の取り組みについて発表しました。小学校3年生のときに田んぼの用水路でカエルたちが流されたりひからびてしまう現状を見て、何とかしたいと思い行動した、大人顔負けの調査力と、ユニークな救出手法の発想力に、拍手が鳴り止みませんでした。
特別賞として「沼田眞賞」に輝いたつる詳子(熊本県八代市)さんは、受賞活動である 「川辺川ダム計画問題への調査活動や県民運動の展開、荒瀬ダム撤去への合意形成をつくり、球磨川流域・不知火海の地域づくりに発展した活動」の取り組みについて発表しました。30年以上にわたる自然保護活動の中で、川辺川ダム計画を中止状態にさせ、荒瀬ダムの撤去へと導いた実績と行動力は、比類ない活躍として賞賛されました。
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