日本自然保護協会のこと
日本の自然を想って。
私たち<日本自然保護協会>は、
日本の生物多様性の
保全に取り組むNGOです。
日本初の法人の自然保護団体として、
1951年に産声をあげました。
「自然のちからで、明日をひらく」を
基本理念に、科学的な根拠に基づいた、
中立で、透明性のある
自然保護活動を推進しています。
“しらべる・まもる・ひろめる”を
3本の柱とした独自の取り組みで、
NACS-J(ナックス・ジェイ)の愛称とともに
国際的にも知られています。
その活動を支えるのは、
私たちの取り組みへの
多くの方々の共感と寄付です。
“遺贈”のお願いをするにあたり、
私たちのことを知っていただくために
歴史と活動をご紹介したいと思います。
はじまりは1951年。
尾瀬の湿原を守る活動から。
戦後の復興期。
尾瀬ヶ原に計画されていた
ダムの建設が、
とうとう本格的に
始められようとしていました。
尾瀬の湿原をすっかり
水没させてしまう規模のものです。
尾瀬に固有の自然が
永遠に失われようとしている。
黙って見過ごす訳にはいかない。
各界の知識人や登山家など、
思いを一つに集まった人々は、
1949年、<尾瀬保存期成同盟>を結成し、
ダム建設反対運動を展開します。
日本初の組織的な自然保護運動でした。
1951年。
一定の成果を得た同盟は、
発展的に改組します。
そうして生まれたのが、
日本で最初の自然保護団体である
<日本自然保護協会>です。
日本の自然保護の歴史は、
日本自然保護協会の活動の歴史。
そう言っても、決して過言ではありません。
なくなりそうな自然を守る
一度失われた自然は、二度と取り戻すことはできません。
自然のしくみを無視した開発は、将来への負の遺産となります。
私たちは、科学的な独自の調査に基づいた開発見直しへの働きかけや、
保護地域化の提案などを行い、かけがえのない自然を次の世代に手渡す活動を続けています。
白神山地や屋久島、知床や小笠原の世界自然遺産登録は、
そうした取り組みの大きな成果のひとつです。
- 保護が遅れている海辺生態系の保全(沖縄県辺野古・奄美諸島・山口県上関・愛知県表浜など、埋め立て開発、護岸工事、海ごみ問題など)
- 国・自治体への環境法制度の改良提案や施策提言(意見書・声明・パブリックコメントの提出、シンポジウム・セミナー開催、委員派遣、メディア対応など)
- 各地の自然保護活動への支援(専門家・職員の派遣、シンポジウム開催・ツール開発の協力、情報提供など)
- 国内外の専門家や市民と連携した新しい保護のしくみづくりの提案 など
A:利根川源流部にある赤谷の森 B:日本の原風景のひとつである里山 C:生物多様性豊かな自然環境の保全を目指す奄美大島 D:沖縄・辺野古でのサンゴ礁生態系調査
日本の絶滅危惧種を守る
今、日本で絶滅の危機にある生き物は約3,700種。
種の絶滅は、生物学的な問題に留まるものではありません。
自然に育まれた文化・歴史の断絶にも関わることです。
生態系のバランスが崩れ、外来種の侵入や拡大につながるケースもあります。
私たちの暮らしの支えである自然。
その豊かさをこれ以上損なわないため、地域の方々とともに、
生息環境の保全活動に取り組んでいます。
- 森林生態系の頂点に立つイヌワシ
- 絶滅危機が極めて深刻な四国のツキノワグマ
- 豊かな里山生態系のシンボルであるサシバ
- 広い砂浜で産卵をするアカウミガメ
- 減少が著しい草原にくらすチョウ など
A:イヌワシ B:アカウミガメ(提供:表浜ネットワーク) C:オオルリシジミ D:ツキノワグマ(撮影:戸谷省吾)
自然で地域を元気にする
高齢化や人口の減少によって、自然とともに育まれてきた知恵や技が失われていく。
そうした地域が日本の各地にあります。
自然保護活動が実を結んで開発計画が中止されても、
その先の未来が描けなければ、安易な開発計画はまた続いてしまいます。
自然のちからで明日をひらくために、
守った自然を地域の活性化につなげる取り組みを進めています。
- 気候変動や防災・エネルギー問題など、地球規模での人と自然のかかわり方の見直し
- ユネスコエコパークの指定・管理の支援(宮崎県綾、群馬県みなかみ、山梨県南アルプス、長野県志賀高原など)
- 市民が主役となり全国200 カ所で調査を行う「モニタリング1000 里地調査」の推進
- 自然保護や生物多様性保全に貢献する商品開発やライフスタイルの提案・促進 など
A:自動撮影カメラでの森の生き物調査 B:サシバの渡りを保全する水田のお米でできた琉球泡盛 C:学生たちによる地域の魅力探し D:里山の自然資源を調べる
自然の守り手を増やす
保護活動によって自然を守ることができた地域には、一つの共通点があります。
自然を楽しみ、自然に親しみ、自然の大切さを知り、
自然の変化にいち早く気付ける人がいる、ということです。
自然観察を通じて自然と人をつなげる人、
日本の自然をしらべる人、自然を活かした地域づくりをする人。
より多くの〝守り手〟とつながり、自然を守る文化のすそ野を広げます。
- 40年以上取り組んでいる「自然観察指導員」の養成
- 子供たちの自然離れ問題の改善などに向けた指導員の活躍の場の増進
- 会報『自然保護』の発行、守り手を研鑽・応援するアワードやコンテストの実施
- 世界の先進動向の情報収集、国内導入の研究・提案、国内外機関とのネットワークづくり など
A:自然観察指導員の養成講習会 B:私も今日から指導員デビュー C:干潟の生き物観察会 D:次の世代に自然の大切さを伝える
保護プロジェクト担当スタッフの思い
ありふれた景色だからこそ生き物の記録がとられてこなかった場所が、全国に数多くあります。地域の自然の記録を一つ一つ残し、自然の変化を読み解き、それらの記録を“市民の手で守る力”に変えていきたいと思います。(里山モニタリング調査担当)
自然科学的なデータを積み上げただけでは、自然に配慮した地域づくりにつながるとは限りません。私たち一人ひとりが自ら進んで、人と自然とのかかわりに気づいていく行動をおこすことの大切さを日々痛感しています。(森林生態系管理担当)
何かを買い、食べ、選ぶ日々のくらしやあらゆる仕事の隅々に、自然を守る意識が根づいている、そんな文化をもった社会をめざしたいです。(広報・会員連携担当)
ご寄付の役立て方
全国で自然保護を行い、自然を大切に想い自然を守り続ける人材を育てていく。
私たちの取り組みには、長期的な継続性が必要です。
お一人お一人のご支援の積み重なりが、大きな大きな力となります。
100万円 | 500万円 | 5,000万円 | 1億5,000万円 |
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自然の守り手を増やす | 守った自然で地域を元気にする | 日本の絶滅危惧種を守る | なくなりそうな自然を守る |
全国各地で自然観察会に取り組むボランティアリーダーを50人養成する講習会を開催し、自然を見守り育む方々を育成します。 | 自然を守りながら、地域の生活や産業が自然の恵みを持続的に得られるよう、保全活動に貢献する産品の企画・広報を展開します。 | 5年間イヌワシ等絶滅危惧種の生息環境調査を実施し、荒れた森林を豊かな自然生態系へ復元することに貢献します。 | 1年をかけ170回の潜水調査・船での調査を行って、沖縄・奄美のサンゴ礁や生物の生息状況をしらべ、保全活動に役立てます。 |
*寄付の使途は、なるべくご寄付いただく方のご意思に沿った活動に充てさせていただきますが、活動の状況により緊急性の高いものに使わせていただく場合もあります。生物の種類や地域を限定した活動などの指定のご希望はお受けできないことがございますので、事前にご相談ください。
これまでにお受けしたご寄付の例
遺贈遺言を作成くださった方の声
●任意後見人、人道支援団体、環境団体の三者に財産を譲りたいと考えました。パンフレットを取り寄せ、森林保全活動に長期的に役立ててもらえると知り、日本自然保護協会を寄付先のひとつに選びました。
(神奈川県、70代男性)
●持病を抱えており、コロナウィルスの感染拡大を受けて、自宅不動産の換価型遺贈を決心しました。雑誌の広告で日本自然保護協会を知り、縁遠い相続人に迷惑をかけないために、公正証書遺言を作成しました。
(愛媛県、60代男性)
●私たちは身寄りのない姉弟で、互いを第一の相続人にした上で、二人とも亡くなった後の財産を日本自然保護協会ほか複数の団体へ遺贈する予備的遺言を作成しました。弟の病が気がかりでしたので、本当に安心しました。
(東京都、70代女性)
●私には両親や妹はいるものの、子供がいません。野生生物保護の仕事をしていた主人から受け継いだ財産は、みどりの遺言プロジェクトをとおして、日本自然保護協会を含む2つの環境団体に遺贈することを決めました。
(兵庫県、50代女性)
相続財産からご寄付くださった方の声
●独り身だった兄が自筆証書遺言を残していましたが、残念ながら無効の文書でした。しかし、遺言にあったとおり、日本自然保護協会をはじめ複数の団体へ寄付を贈りました。きっと兄も喜んでくれていると思います。
(長野県、70代男性)
●10年ほど前、あるイベントで配られたチラシで日本自然保護協会を知りました。それから何度か、絶滅危惧種の保全活動などへ少額の寄付をしたことがありましたが、母の死去を受けて相続財産からの寄付を決めました。
(東京都、60代女性)
お香典寄付をくださった方の声
●自然が好きだった父の想いを込めて、父の葬儀のお香典返しに相当する金額を寄付し、忌明けの挨拶状に日本自然保護協会から寄せられたメッセージを添えました。
(千葉県、60代男性)
生前寄付をくださった方の声
●若い頃から生き物が好きで、絶滅危惧種の保護にも関心がありました。自然保護に長期的に役立ててもらえると知り、生前のうちに想いを確実に実現することができました。
(神奈川県、60代男性)
●テレビ番組で観た森林問題のことが、ずっと気になっていました。財産に少しゆとりができたので、雑誌の広告で知った日本自然保護協会に寄付をしました。今後も、定期的に支援していきたいと思います。
(栃木県、70代女性)
私も応援しています! ―あしたの君へ―
IUCN国際自然保護連合親善大使
日本自然保護協会 参与
シンガーソングライター イルカ
何千年もの先の子どもたちへつたえたい心と物、それをいつも思い歌を編み歌ってきました。しかし母体である地球の環境は深刻な状況にあります。今!私たちがすべきことは今だけを見るのではなく!確かな未来を手渡せる生き方をすること!ではないでしょうか。惑星すべてが皆の宝物ですね。
IUCN国際自然保護連合親善大使
日本自然保護協会 参与
シンガーソングライター イルカ
私も応援しています! ― 志をともに―
日本環境法律家連盟(JELF) 理事
日本自然保護協会 参与
「みどりの遺言」プロジェクト
弁護士 池田直樹
私も応援しています! ― 志をともに―
日本環境法律家連盟には、環境保護の志をもつ全国500名の弁護士がいます。アマミノクロウサギ、ジュゴン、ナキウサギなど「声なき自然の代理人」として生態系保護のために闘ってきました。日本自然保護協会は、私たちの信頼できるパートナーです。日本自然保護協会をとおして、みどりの遺言プロジェクトに賛同する全国各地の弁護士が遺贈・相続のご相談に応じます。
日本環境法律家連盟(JELF) 理事
日本自然保護協会 参与
「みどりの遺言」プロジェクト
弁護士 池田直樹
お問い合わせ
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公益財団法人日本自然保護協会
遺贈・終活寄付担当(終活アドバイザー)
E-mail:memory@nacsj.or.jp
TEL:03-3553-4101(代表受付、平日10~17時)
〒104-0033
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FAX: 03-3553-0139