2016.05.01(2018.06.27 更新)
- 2016年
- 海辺で花しらべ!
【自然しらべ2016】ちょっと聞いてほしい「海辺の話」
調べる対象:海岸植物
知ってほしい海のこと
調査マニュアルに付いている調査票と撮影した写真を、以下のいずれかの方法で日本自然保護協会へお送りください。何カ所かしらべてくださった場合には、場所ごとに調査表1枚と写真をセットにしてお送りください。
海辺ってどんなとこ?
「海辺(海岸)」というとどんな風景を思い浮かべますか? 試しに周りの人にも聞いてみてください。一言で「海辺」といっても、思い浮かべる風景は人によって結構違うものです。
海辺は、つくられている地質によってタイプが分かれ、大きくわけると下のような3つのタイプに分かれます。
①砂礫質(されきしつ)の海岸(砂や礫(れき)が堆積した海辺、砂浜など)
②岩石海岸:岩石が露出している海辺(断崖になっていたり、岩場(磯)になっていたりする)
③泥質海岸(塩性湿地・塩沼地):河口や干潟、汽水(海水と真水の混じった水)の湿地
このほかに、サンゴ礁でできた海岸などもありますが、日本の海辺の大部分は①~③のどれかです。
あなたが思い浮かべた「海辺」、どのタイプかわかりましたか?
今の日本の海岸は、この写真のように防潮堤や埋め立てなどで改変されたところも多いいので、すぐに①~③のどれかわからないという人も多いかもしれませんが、辺りを歩いてみるとヒントがあるはずです。この機会に、あなたの思いい浮かべた海辺に足を運んでみてください。
(写真・資料提供:由良浩)
砂浜に暮らす生きものたちと消える日本の砂浜
潮風・潮水にさらされ、風や波によって地面の砂はたえず移動する砂浜。普通の生きものにとっては暮らしづらそうな砂浜の環境をあえて住処として選ぶ生きものたちもたくさんいます。
たくさんの生きものが生息地や産卵場所(※後日、カメコラムへリンク)として利用する砂浜は、私たち人間にとっても海水浴をはじめとして親しみのある海辺です。が、最近、海水浴シーズンになると「砂浜が消えた」というニュースを耳にすることが増えていませんか?
実際に、今、日本の砂浜が各地でどんどん減少しています。そして、砂浜の砂が波にさらわれていくから砂浜が減る。それをとめるために沿岸に防波堤や消波ブロックを置く、こんな光景も増えていきています。
しかし、砂浜が減っている理由は、海側だけの問題ではありません。砂浜は、山と川から土砂が海に流れつき、波に削られ砂や礫となって海岸に堆積してつくられます。
それが今は、山にダムが作られたり川岸をコンクリートで固める護岸がされたりして土砂が下流に流れなくなっているため、新たな砂や礫のとなる土砂の供給がないまま、海岸の砂は波にさらわれて砂浜が減る一方となっているのです。
また、砂浜の減少を食い止めるためと作られる消波堤によって、かえって砂が海辺に届かなる、波が岩場を崩さなくなるので海側の土砂供給もなくなる、という悪循環が起こっているのです。