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2009.07.01(2018.06.27 更新)

【自然しらべ2009】みえてきたこと:概要

調べる対象:湧水

みえてきたこと

地図や地域の人の話などを手がかりに探検

湧き水は昔から、飲み水や農作物の栽培に使ったり、酒や織物を作るなど、人々のくらしに欠かせないものでした。 同時に、いろいろな生きものに、かけがえのないすみかを提供してきました。ところが、開発による都市化がすすみ、各地でそうした環境が失われつつあります。
そこで、湧き水をとおして日本の自然のようすを知ろうと、全国一斉の市民調査を実施しました。ご家族や友だちと一緒に、地形図で水が湧き出ていそうな地形や地名の場所を探したり、持ち主や近所の人にたずねるなどしながら、湧き水のようすや、湧き水でみられる生きもの、人のくらしとのかかわりについてしらべて、写真と観察記録を送っていただきました。

 

寄せられた観察情報は533件

参加してくださった方は、全国43都道府県で、のべ1,987人。北海道札幌市から小笠原諸島・母島や南西諸島・沖縄島まで、533件の観察情報が寄せられました。
都道府県別にみると、多い順に東京77件、群馬39件、神奈川38件、山形33件、長野30件と、東日本から数多く集まりました。記録に地域的な偏りはあるものの、これだけの 情報が集まったことは、日本の自然のようすを知る上で意義深いものといえます。また、一人で10ヶ所以上の記録を集めて下さった方、学校の実習で取り組んで下さった方、何十人もの人に湧き水の大切さを伝えたという方、自然しらべのリピーターの方、雑誌や新聞で見つけて初めて参加された方など、さまざまなきっかけから、皆さん大変熱心にしらべて下さいました。参加者の多くは、意外と身近にある自然の恵みに驚き、地域のとっておきの宝を見つけたという喜びにあふれ、楽しみながら自然のことを考えるよい機会になったようです。


▲小原さん(滋賀県)

▲三上さん(青森県)

▲みずともさん(山形県)

 

生物多様性の保全にとって重要な場所

森の中にひっそり残るものから街中の人家の庭先まで、各地から寄せられた情報は幅広く、湧き出た後の姿も変化に富んでいました。
寄せられた湧き水の写真を見ていると、おもわず訪れてみたくなるような興味の尽きないものばかりです。
いろいろな生きものがみられた場所や、今も多くの人が訪れ親しまれている所もあれば、人工的な水路や池になっていたり、水道の普及で湧水を使わなくなったり、かつてより水量が減ってしまったという所など状況はさまざまでしたが、専門家の読みときからは、湧き水が生物多様性と自然の恵みが実感できる好適な場所であり、よい水質や一定の水温が多くの生きもののすみかをつくり出し、私たち の生活にも有益であることなどが、あらためて見えてきました。

 

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