2004.07.01(2018.06.27 更新)
- 2004年
- カタツムリをさがそう
【自然しらべ2004】調査マニュアル
調べる対象:カタツムリ
調査マニュアル
カタツムリの見分け方
カタツムリは、体の成長と同時に殻も巻きながら大きくなっていきます。(ヤドカリは、体が大きくなったら、体に合う殻に取り替えます。)カタツムリを見分けるには、殻に注目してみましょう。
ポイントは、(1)大きさ (2)巻き方 (3)形 (4)色 (5)もよう(スジの入り方)です。
日本には700種類くらいのカタツムリがすんでいるといわれますが、大人になっても小さいままの種類は、見分けるのがとてもたいへん。そこで、今回は1センチメートルよりも大きいカタツムリに注目しましょう。注目の3種は、日本各地でみられ、人家の近くにすんでいるものです。
ヒダリマキマイマイ 分布:本州 |
ミスジマイマイ 分布:関東地方 |
エゾマイマイ 分布:北海道 |
タメトモマイマイ 分布:琉球列島 |
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注目種の分布
北海道 | 本州~九州 | 小笠原 | 琉球列島 | |
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ウスカワマイマイ | ●南部 | ● | ●局地的 | ● |
オナジマイマイ | ●南部~中部 | ● | ●都市部 | |
コハクオナジマイマイ | ●局地的 | |||
間違えやすい種 | エゾマイマイ | タメトモマイマイ パンダナマイマイ |
ウスカワマイマイ
殻が丸く、スジのないのが特徴。
体の色が透けて見え、真っ黒だったり、斑点があるように見える。林の中には住まない。
オナジマイマイ
コハクオナジマイマイ
殻が平たく、ときに角張るのが特徴。オナジマイマイの体は茶色だが、コハクオナジマイマイは黄色か白。オナジマイマイは外来種で、コハクオナジマイマイはもともとは九州にすんでいた国内外来種。
カタツムリ豆知識
殻の巻き方は、種類によって決まっているので、巻き方は重要なチェックポイント。殻が時計回りに成長するのが「右巻き」です。殻の右巻き・左巻きがわからなくなったときには、手をにぎってみましょう。
左巻き | 右巻き |
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カタツムリの殻くらべ
カタツムリを見分けるポイントの、殻の形がよくわかるように、標本写真をならべてみました。殻が「丸い」「平たい」などの違いがわかりますか。
なお、標本の殻の色は、生きているときの殻の色とはかなり異なります。色にとらわれずに、形の比較用としてごらんください。
標本は西宮貝類館所蔵黒田標本、写真の撮影は兵庫県在住のNACS-J会員大垣内宏さんにご協力をいただきました。ありがとうございました。
ウスカワマイマイ | オナジマイマイ | コハクオナジマイマイ | ミスジマイマイ |
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殻の直径2cmくらいまで、殻高2cmくらい。殻はうすくて丸い。殻の口は薄く反り返らない。スジはない。ヘソ穴はほとんど閉じる。本州・四国・九州に分布。林の中には住まない。 | 殻の直径2cm以下、殻高1.3cmくらいまで。殻は平たい。巻き数は多い。ときにはスジがある。巻き始めの肉の色は茶色か黒色。江戸時代に東南アジアから来た外来種。現在では、北海道・本州・四国・九州・沖縄・小笠原に分布。 | 殻の大きさ2cm以下。殻高1.2cmくらいまでオナジマイマイに似るが、巻き始めの肉の色は黄色か白色、光沢がある。もとの分布は九州だったが、本州での観察記録が増えている。 | 殻の直径3.5cmくらいまで、殻高2cmくらいまで。殻は平たい。巻き数は少ない。スジがあるものとないものがある。ヘソ穴が開く。関東に分布。 |