2023.04.04(2023.04.04 更新)
今回で7年目!赤谷の森での自然林再生ボランティア活動をニコンの社員の皆さまと実施しました
株式会社ニコン
対象:従業員
貢献:日本の絶滅危惧種を守るSDGs自然を活かした地域づくり自然の守り手拡大
日本自然保護協会(以下、NACS-J)の活動を会員として支えてくださっている株式会社ニコン(以下、ニコン)の社員の方々に、今年度もNACS-Jの活動地「赤谷の森」でボランティア作業をしていただきました。
7年目となる今回は除伐作業に加え、植物の種類や分布状況を記録する「植生図」作りとどんぐりの苗木の植樹を行いました。
NACS-Jは、群馬県みなかみ町にある「赤谷の森」で、生物多様性の復元や自然の恵みを活かした持続可能な地域づくりを目指す「赤谷プロジェクト」を実施しています。
その活動のひとつに、管理の行き届かなくなった人工林を本来の森へ戻す活動があります。スギやカラマツといった人工的に植えられた樹木が増え、手入れが行き届いていない森は、林内に日光が届かないことから、背の低い植物が育ちにくく、生物多様性が損なわれてしまうことになります。
人工林から本来の森への復元には、自然の力だけでは長い時間がかかってしまう場合があります。そのため、再生の速度を少しでも早める方法のひとつとして「除伐」を行っています。除伐は、かつて赤谷の森を構成していたミズナラやブナなどの幼齢樹の生育を妨げている植物を刈り払う作業です。
ニコンの従業員の方々には2016年から、この除伐作業をボランティア活動としてサポートしていただき、今回で7回目の実施となりました。
2022年10月29日と30日の2日間にわたって実施し、20名以上の方に参加いただきました。今年度は例年行っている除伐作業に加え、どの場所に何の植物が生えているかを記録する「植生図」の作成とどんぐりの苗木の植樹を行いました。
1日目はムタコ沢で、除伐や樹木のモニタリング、植生図作りを行いました。ムタコ沢はすぐ近くに民家やスキー場があり、里山に位置づけられるエリアです。
植生図には、2m以上の「ミズナラ」「コナラ」「クリ」の3種類に限定して、位置や背丈などを記録しました。この植生図をもとに、植物の成長度合いや分布の差を見ていきます。
2日目は約半数の方が残ってくださり、「イヌワシ試験地」で、除伐と樹木のモニタリング、植樹を行いました。この場所は、絶滅危惧種イヌワシの生息環境の向上を目指して狩場を創出しているエリアです。この日の昼食時にも、イヌワシが出現しました!
植樹では、2021年度に赤谷林道で拾ったどんぐりから育てた30本の苗木を植えました。15本はみなかみ町で育てたもの、残りの15本は東京のNACS-J事務所屋上で育てたものです。母樹から15mほど離れた位置に植樹し、成長に違いが生じるかを検証していきます。
今回で、この取組みの第1ステージが最終章となりました。当初目標にした「育って欲しい樹木」が順調に育っているなど、取組みの成果が現れてきました。第2ステージでは、今回作成した植生図などを活用し、より生物多様性を意識した森づくりに挑戦していきます。
1日目、そして2日目と、ご参加いただいたニコンの皆さま、本当にありがとうございました!
NACS-Jでは、今後も赤谷の森を舞台に生物多様性の復元を目指した自然林再生に取り組んでまいります。引き続きご注目ください。
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部
担当:原田、桜井、三好、志村、岩橋
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp