2022.08.12(2022.08.15 更新)
皇居外苑の水辺環境の復元に取り組む「濠プロジェクト」、大丸有エリアで働く方々とお濠に入って泥と生きものを採取しました
三菱地所株式会社、環境省、千葉県立中央博物館
対象:従業員学生一般市民
貢献:日本の絶滅危惧種を守るSDGs自然の守り手拡大
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、NACS-Jの活動を会員として支えてくださっている三菱地所株式会社(以下、三菱地所)などと一緒に、皇居外苑のお濠の生きものを再生する「濠プロジェクト」(以下、濠プロ)を実施しています。
この度、濠プロの一環として、大丸有エリア(大手町・丸の内・有楽町)で働く方々と一緒に皇居外苑濠に入って泥と生きもの採取し、都市と生物多様性について理解を深める活動を実施しました。
「濠プロジェクト」は、皇居外苑濠(以下、お濠)を中心とした水辺環境の復元と生物多様性ネットワークの構築、普及啓発を行う取り組みです。三菱地所をはじめ、環境省やNACS-Jが連携して活動しています。
具体的な取り組みとして、お濠の泥の中に眠る埋土種子を採取し、現在の水辺環境では消失してしまった水草の復元に挑戦しています。これまでに9種の水草を復元し、2020年には東京都区部で絶滅したとされていた水草「ミゾハコベ」の復元にも成功しました。
今回の活動では、参加対象者を大丸有エリアで働く方としました。計2日間、4回実施し、約70名もの皆さまにご参加いただきました。
初めに、これまでの「濠プロジェクト」の成果や生物多様性についてオリエンテーションを実施しました。
胴長とライフジャケットを着用してお濠に入り、たも網や採泥器を使って生きものや泥を採集しました。そして、採集した泥の中から見つかった小さな生きものは、光学顕微鏡を使って観察しました。
※お濠のなかには、特別な許可がないと入ることはできません。生きものの採取もできませんので絶対に真似はしないでください。
お濠に入ることができなかった子どもたちにも、採取した生きものを見てもらいました。
採集した泥は、大手町ビル屋上や大手町の緑地広場であるホトリア広場に撒き出し、貴重な水草の復元を目指します。絶滅したと考えられてた水草を、近い将来目にする日がくるかもしれません!ご期待ください。
「皇居外苑濠での泥と生きもの採取 ~濠プロジェクト~」実施概要
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部
担当:原田、櫻井、三好、志村、岩橋
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp