2022.06.25(2022.06.25 更新)
NACS-J市民カレッジ105「生きものは季節をどうやって知る?」を開催しました。
三菱商事株式会社
対象:学生一般市民
貢献:SDGs自然の守り手拡大
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、一人でも多くの方に日本の自然の美しさや大切さ、尊さ、守ることの大切さを伝えたいという思いから、NACS-Jに集う各分野のスペシャリストが講師を務めるオープンカレッジ「NACS-J市民カレッジ」(以下、Nカレ)を開催しています。
105回目のNカレは、「生きものの季節適応力」について学びました。
開花や鳥の渡り、山肌の雪形といった自然の変化を農作業時期の目安にするなど、私たちは四季を感じ、暮らしに役立たせてきました。では、生きものはどうやって季節の変化を知るのでしょう。
今回のNカレは、名古屋大学高等研究院生命農学研究科特任助教の中山友哉さんを講師に迎え、最新の研究で分かってきた生きものの季節適応力についてお話いただきました。
日の長さは、温度や降水量などと比べてばらつきが少ない環境情報で、多くの生きものたちが日の長さを感知して、繁殖や渡りなどの行動を変化させているそうです。
では、日の長さを動物はどうやって感じるのか。人間もふくめた哺乳類は目で光を感じて日の長さの変化を知りますが、例えば鳥のウズラは脳、魚のサクラマスは血管で日の光を感じることが研究で分かっているそうです。
そして、さまざまな生きものが、約1年周期のリズムを刻む体内時計を持っていて、1年周期で行動を繰り返していることも明らかになってきたそうです。
専門的になりがちなテーマでしたが、中山さんがこれまでの研究結果とともに分かったこと、そしてまだ分からないことをとても丁寧に解説くださり、生きもの好きな参加者の皆さんにもご満足いただけたNカレとなりました。
感想の一部をご紹介
- 光の受容体が生物によって違うということや、概日のほかに概年というリズムがあることを初めて知り、興味を持ちました。
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概日リズム,概年リズムが遺伝子レベルで刻み込まれているというお話は非常に面白かった。遺伝については個人的に興味を持っているので、今後の研究の進展を期待致します。
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少々専門的で、難しく感じるところもありましたが、自然の営みにはさまざまなリズムがあること、人も生き物もいろいろな自然界のサインを受け取って対応しているのだなと感心ました。
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微弱な光にも影響をうけてしまう生き物がいると知り、人ももっと他の生き物に気を配った生き方が出来ると良いなと思いました。
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土の中の生き物例えば蝉の幼虫や彼岸花などは、どうして季節がわかるのだろうとまた疑問が増えました。
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植物についてはある程度勉強して知っておりましたが、動物・昆虫については今回初めて体系的にお話を聞くことができて、大変勉強になりました。
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人間にも概念リズムがあるのかもしれませんが、そうだとしてもきっとすっかり狂っているのではないでしょうか。本来、人間も自然の中で生きているので季節感を大切に生きたいと感じました。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
次回のNACS-J市民カレッジもお楽しみに!