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2022.03.16(2022.03.17 更新)

千葉県で砂浜ムーブメント。3か所の砂浜と海岸でビーチクリーンや生きものしらべに取り組みました

株式会社バイオーム、株式会社ピリカ、こくみん共済coop、株式会社サニクリーン、OXOなど

対象:一般市民ファミリー子ども学生

貢献:自然の守り手拡大SDGs愛知ターゲット

回収したごみ写真

日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、多くの企業や団体の皆さまと連携して、自然海岸の減少や海ごみの問題など、海や砂浜が直面している課題の解決を目指して「全国砂浜ムーブメント」(以下、砂浜ムーブメント)を主催しています。

今年度の砂浜ムーブメントは、昨年12月31日をもって無事に終了しました。温かいご支援ご協力、本当にありがとうございました。最終的な活動報告の前に、NACS-Jが全国で取り組んできた活動について振り返ります。

今年度の活動では、7月に実施した下洲海岸での活動に引き続き、NACS-Jのスタッフが千葉県内にある3か所の砂浜と海岸を訪れ、ビーチクリーンや生きものしらべなど砂浜ムーブメントのアクションに取り組みました。

7月に実施した下洲海岸での活動の様子はこちら。
千葉県の下洲海岸で砂浜ムーブメント。アオウミガメの漂着個体にも遭遇しました

*新型コロナウィルスの感染対策には細心の注意を払い活動していますが、写真撮影時のみマスクを外している場合がございます。


砂浜ムーブメントでは、海や砂浜が直面している課題の解決を目指して、3つのアクションを呼びかけ、全国の皆さまに参加、活動いただいています。新型コロナの影響でたくさんの人が集まっての活動ができないのは残念でしたが、NACS-Jのスタッフも全国の砂浜を訪れ、3つのアクションに力を注ぎました。

砂浜を守る3つのアクション

  • 砂浜ノートを子どもたちに届けよう!(目標は5万人)達成!
  • 砂浜のいきものをしらべよう!(目標は5000データ)達成!
  • 砂浜や街中でごみを拾おう!(目標は200万個)達成!

千葉県の房総半島にある3か所の砂浜と海岸でビーチクリーンや生きものしらべに取り組みました。千葉県の大部分を占める房総半島の海岸線は、およそ500kmに及びます。その周囲の海は、暖海と寒海、浅海と深海、砂浜と岩礁といった対照的な環境が複雑に絡み合っており、さまざまな生きものが生息しています。

岩井海岸全体の写真

1か所目は、南房総市にある岩井海岸。

内湾に位置する岩井海岸は、遠浅で波も静かなため、子どもでも安心して遊べる海岸として地域では知られているそうです。あまり広い砂浜ではありませんが、貝殻や海浜植物、スナガニ類の巣穴や砂だんごがみられるなど、たくさんの生きものをみることができました。

生きものコラージュの写真▲キンセンガニの甲、ヒトデや海浜植物など貝以外の生きものもたくさん!

スナガニの穴と砂だんごの写▲「砂だんご」については過去の活動記事をチェック!
>>こちら

みつけた生きものは、いきものコレクションアプリ「BIOME(バイオーム)」に登録!生きものの写真を投稿すると、AIが名前を推測してくれるので、簡単に生きものしらべができます。

今年度の砂浜ムーブメントでは、5000の生きものデータを集めることを目標として全国の皆さまにご協力いただきました。現在集計中ですが、5000を優に超えるたくさんのデータが集まっています!集めた貴重なデータは、今後の海や砂浜保全に役立てられます。

岩井海岸と夕日▲国土交通省関東地方整備局「関東の富士見百景」にも選定されている岩井海岸。うっすら見える富士山と夕日が美しい

ごみと我▲ビーチクリ―ンも実施!100Lのごみを回収

岩に挟まるごみ▲岩場や海浜植物に挟まるごみが多くみられた

生きものしらべをしていると気になるのは、やはりごみの存在です。一見ごみが無いように見える砂浜でも、岩場や海浜植物などたまりやすいポイントは要注意です。そんなポイントで重点的に回収した100Lのごみは、ごみ拾いSNS「Pirika(ピリカ)」に写真とコメントを投稿!

今年度の砂浜ムーブメントでは、200万個のごみの回収を目標としてきましたが、全国の皆さまのご協力のおかげで、なんと300万個を突破!「Pirika」をつかったビーチクリーンは、全国の仲間と意見交換ができる上に、励ましあい楽しみながら活動することができるのでおすすめです。

広い砂浜の写真▲白里海岸

2か所目は、大網白里市にある白里海岸。

白里海岸のある九十九里浜は、全長約60kmにおよぶ日本最大級の砂浜海岸です。内湾の岩井海岸とうってかわって、砂浜は広大で、外湾ならではの波の迫力が印象的でした。

波打際の貝の写真▲ナミノコガイやフジノハナガイなどが砂浜にもぐる瞬間が観察できた。貝殻の種類は少なめ

砂丘の写真▲広い砂浜ではあるが、海浜植物は少なめ・・・しかしうまく砂丘を形成していることが見てわかる

実はこの広大にみえる九十九里浜の海岸では、長年砂浜の減少が大きな問題となっています。その原因の1つに、護岸の設置があげられています。

海食崖の写真▲屛風ヶ浦の海食崖

九十九里浜の砂浜は、北は屛風ヶ浦(銚子市~旭市)、南は太東岬(いすみ市)の崖が波で削れ6000年もかけて砂がたまったことによりできた砂浜です。

写真のとおり、現在は護岸で固めれており崖は削れることがないため、砂の供給がストップしてしまっています。護岸の設置以外にも原因はありますが、この40年間でおよそ 30kmの砂浜が侵食され、陸地との境目となる汀線は最大 100m程度後退。現在もその範囲は拡大しています。

砂浜の減少は、生きものへの影響はもちろんのこと、漁業や商業など、私たちの生活にもさまざまな影響を及ぼすことが懸念されています。現在、千葉県は「九十九里浜侵食対策検討会議」を設置して、専門家や地域の皆さまと対策を急いでいます。

海食崖のアップ

今回は、千葉県の内湾と外湾の砂浜を訪れ、それぞれの違いを実感しました。一見小さな砂浜でも生きものが多くみられたり、広大にみえる砂浜が実は浸食の問題を抱えていたりと、実際に見て、調べることでわかることはたくさんあります。

この機会に、地域の砂浜や気になる砂浜について調べてみるのはいかがでしょうか。砂浜を見る目が増えることが、砂浜の保全に繋がります。

NASC-Jでは、日本の豊かで美しい砂浜を守り続けるため、今後も活動に力を注いでいきます。引き続きご注目ください。

 

砂浜ムーブメントの特設サイト&チラシ

全国砂浜ムーブメント特設サイトはこちら!

チラシのダウンロード(PDF/854KB)

 

企業・団体様へ

砂浜ムーブメントは、多くの企業や団体の皆さまと連携して実施しておりますが、現在も、ご支援、ご協力いただける企業や団体の皆さまを募集しています。海や砂浜の自然環境の問題の解決を目指してNACS-Jと連携しませんか!?ご連絡お待ちしております。

企業連携専用のお問合せフォーム

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