2022.03.11(2022.03.11 更新)
NACS-J市民カレッジ103「~あなたの近くにも、きっといる~ となりのキツネ」を開催しました
三菱商事株式会社
対象:一般市民学生
貢献:愛知ターゲット自然の守り手拡大日本の絶滅危惧種を守るSDGs
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、一人でも多くの方に日本の自然の美しさや大切さ、尊さ、守ることの大切さを伝えたいという思いから、NACS-Jに集う各分野のスペシャリストが講師を務めるオープンカレッジ「NACS-J市民カレッジ」(以下、Nカレ)を開催しています。
103回目のNカレは、「キツネ」について学びました。
キツネというと、北海道に暮らすキタキツネを思い浮かべる人が多いのではないかと思いますが、日本の本州以南にはホンドキツネが生息しています。今回のNカレは、このホンドキツネが主役。
講師は、岐阜や愛知でホンドキツネ(以下、キツネ)の写真を撮り続ける写真家の渡邉智之さんです。
キツネは河川敷などに穴を掘って巣をつくり、オスも子育てに参加すること。キツネの巣がある場所は開けているためキジがいたり、巣からタネが掻き出されて菜の花が咲くなど、他の生きものとも関係していること。人間の暮らしのすぐ近くにすんでいて、ボールやゴミなどで遊んだりもしていること。夜には田んぼや畑で狩りをしたり、公園にさえ来ていたりすること。などなど、キツネの暮らしぶりを、写真や動画をふんだんに使いながら解説してくださいました。
タヌキなどに比べてその姿を見かけることが少ないため、キツネが想像以上に人の暮らしの近くに暮らしていることは驚きでした。
キツネたちは、人間が自分たちの存在に気づいていない、自分たちに害を与えない存在と認識しているらしく、人間の近くにいることに慣れていて、逆にじっくり人間たちの様子をうかがっていることなども興味深い話でした。
ただ、交通事故に遭うキツネも多いこと、また、巣をつくっていた場所が工事によって壊されてしまうことなども多く、人間の近くに暮らすキツネたちの厳しい現実もあります。
参加者からは、どうやって撮影しているのか、キツネをどうやって探すといいか、といった質問があり、川岸を歩いて、キツネの足跡やフンなどのフィールドサインを見つけてみる、キツネをみつけても近寄らず静かに様子を見守る、などのコツをたくさん教えてくださいました。
感想の一部をご紹介
- ホンドキツネが、意外と近くに多くいると伺い驚きました。気づかないだけで、キツネに遭遇していたのかもしれませんね。
- 身近にいるかも知れないと思うと、何だかドキドキします。
- あくびをしたり、ボールで遊んだり、ハチに刺されたり、夜の畑に来たり、昼の姿と夜の姿、また頭が良くて人間をよく観察して暮らしている生態、とても興味深かったです。
- もともとキツネが大好きで渡邉さんの活動も知っていたので、どの話も大変興味深く聞かせていただきました。参考になった話としては、雌雄の見分け方、ゴミなどでの狩りの練習、キジや菜の花などの周辺環境との好循環、フィールドサイン、撮影のコツなどなど挙げればキリがないです。
- 里山で、トレイルカメラに写っているホンドギツネは何度も見たことがありましたが、実際に見た事はなかったので、不思議な動物だと思っていました。今回、写真や動画を見ながら生態を聞き、人間の近くで生活しているのに人間が気がついてないだけ?と言う話に驚きました。昔から「キツネに化かされる」「キツネにつままれる」と人間が感じる理由も、少し理解できたように思います。
- キツネ同士の関係など、先生の主観や推測のお話が興味深いです。長い間観察している方の感覚というのはとても貴重なものだと思います。
- 素敵な写真をたくさん見せていただきありがとうございました。長い時間観察されているからこそわかる生態がとても興味深かったです。さらに、講師のホンドギツネへの愛情にもとても好感が持て、聞いていて楽しかったです。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
次回のNACS-J市民カレッジもお楽しみに!