2022.02.02(2022.02.02 更新)
山口県で砂浜ムーブメント。6ヵ所の砂浜と海岸でビーチクリーンや生きものしらべに取り組みました
株式会社バイオーム、株式会社ピリカ、こくみん共済coop、株式会社サニクリーン、OXOなど
対象:一般市民ファミリー子ども学生
貢献:SDGs愛知ターゲット自然の守り手拡大
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、多くの企業や団体の皆さまと連携して、自然海岸の減少や海ごみの問題など、海や砂浜が直面している課題の解決を目指して「全国砂浜ムーブメント」(以下、砂浜ムーブメント)を主催しています。
今年度の砂浜ムーブメントは、昨年12月31日をもって無事に終了しました。温かいご支援ご協力、本当にありがとうございました。最終的な活動報告の前に、NACS-Jが全国で取り組んできた活動について振り返ります。
今年度の活動では、NACS-Jのスタッフが山口県内にある6か所の砂浜と海岸を訪れ、ビーチクリーンや生きものしらべなど砂浜ムーブメントのアクションに取り組みました。
※新型コロナウィルスの感染対策には細心の注意を払い活動していますが、写真撮影時のみマスクを外している場合がございます。
砂浜ムーブメントでは、海や砂浜が直面している課題の解決を目指して、3つのアクションを呼びかけ、全国の皆さまに参加、活動いただいています。新型コロナの影響でたくさんの人が集まっての活動ができないのは残念でしたが、NACS-Jのスタッフも全国の砂浜を訪れ、3つのアクションに力を注ぎました。
砂浜を守る3つのアクション
- 砂浜ノートを子どもたちに届けよう!(目標は5万人)達成!
- 砂浜のいきものをしらべよう!(目標は5000データ)達成!
- 砂浜や街中でごみを拾おう!(目標は200万個)達成!
山口県では6か所の砂浜と海岸でビーチクリーンや生きものしらべに取り組みました。なかでも活動に力を入れたのは、下関市にある3つの砂浜と海岸です。
▲室津海水浴場
はじめに訪れたのは、豊浦町にある室津海水浴場。
美しい砂浜と透き通った海水と空の青色が映える室津海水浴場では、貝殻や小さなスナガニ類などの多くの生きものがみられました。
砂浜を漠然とみると生きもの存在に気付きづらいですが、ポイントをおさえてよく見てみるとさまざまな生きものがいることがわかります。特に室津海水浴場では豊富な種類の貝殻がみられました。
▲ほんの数分のビーチコーミングでこの量!
干満時にそれぞれできる波打ちラインや、砂浜の両端、岩場・・・貝殻や漂着物が集まりやすいポイントをねらってビーチコーミングをしてみると、大小さまざまな貝殻のほか、ビーチグラスや陶器のかけらにも出会うことができました。砂浜によってポイントがまるで違うので、気にしてみるとより自然観察が楽しめるかもしれません。
あつめた貝殻は、いきものコレクションアプリ「BIOME(バイオーム)」に登録!生きものの写真を投稿すると、AIが名前を推測してくれるので、簡単に生きものしらべができます。
今年度の砂浜ムーブメントでは、5000の生きものデータを集めることを目標として全国の皆さまにご協力いただきました。現在集計中ですが、5000を優に超えるたくさんのデータが集まっています!集めた貴重なデータは、今後の海や砂浜保全に役立てられます。
▲土井ヶ浜
つづいて訪れたのは、豊北町にある土井ヶ浜。
環境省が選定する「快水浴場百選」の1つでもある土井ヶ浜は、長さ1kmに及ぶ砂浜と透き通った海水、遠浅で波が穏やかなことから、シーズンにはこどもから大人まで多くの海水浴客が訪れるそうです。
▲穏やかな波と細かな砂の動きによって浅瀬にできる砂紋が美しい
▲海もきれいだが、海浜植物の広がりもすごい!
▲海浜植物ハマゴウはハーブのような香りをもち漢方薬やお酒などにつかわれる
印象的だったのは、砂浜一面にひろがる海浜植物のすがたです。砂丘と護岸には一面のハマゴウ、そのほかにも数種類の海浜植物がみられました。
海浜植物は地味と思われがちですが、砂の移動を防ぎ砂丘を形成、ほかの生きもののすみかになるなど、砂浜の生態系保全や防災・減災に繋がる大切な役割を果たしています。
そんな海浜植物ですが、近年、砂浜によってはまるでみられないところもしばしば・・・身近に砂浜がある場合や、砂浜に行く際はぜひ気にしてみてください。身近な自然観察が、自然保護に繋がっていきます。
▲旧角島小学校前海岸
最後に訪れたのは、同じく豊北町角島にある旧角島小学校前の海岸。
角島の海岸はエメラルドグリーンの美しい海がみられることで有名な観光地ですが、いくつかの海岸は海ごみの問題が深刻な状況にあります。事前に下関市から情報をいただき、今回は旧角島小学校前の海岸でビーチクリーンを行いました。
▲約2時間、4人で回収できたごみは900L
▲海外から漂着したと思われるごみの一部
▲小さな砂浜だが10種類ちかくの海浜植物がみられた
ペットボトルや缶ビン、漁網やフロートなどの漁具が多くみられたほか、海外からやってきたと思われる中国語や韓国語表記のごみも目立ちました。また、多くのごみが海浜植物に絡まってしまっていました。
下関市によれば「旧角島小学校前海岸は市民が定期的にビーチクリーン活動をしてくれているが、すぐにまたごみだらけになってしまう」とのこと。意見交換のあと、海や砂浜保全の普及啓発の参考にしていただけるよう、「砂浜ノート」を下関市へ寄贈させていただきました。
今回回収した900Lのごみは、ごみ拾いSNS「Pirika(ピリカ)」に写真とコメントを投稿!
今年度の砂浜ムーブメントでは、200万個のごみの回収を目標としてきましたが、全国の皆さまのご協力のおかげで、なんと300万個を突破!「Pirika」をつかったビーチクリーンは、全国の仲間と意見交換ができる上に、励ましあい楽しみながら活動することができるのでおすすめです。
▲ハマニガナ
今回は初心にかえり、「身近な自然観察が自然保護へ繋がる」ことや「アプリを活用して楽しく自然保護」ができることに意識して活動しました。自然保護、というと難しく感じてしまう方も多いかもしれませんが、とても身近なところから携わっていくことができます。
日本の豊かで美しい砂浜を守り続けるため、これからもさまざまな角度からのアプローチで砂浜を見る目を増やしていきます!引き続きご注目ください。
砂浜ムーブメントの特設サイト&チラシ
全国砂浜ムーブメント特設サイトはこちら!
チラシのダウンロード(PDF/854KB)
企業・団体様へ
砂浜ムーブメントは、多くの企業や団体の皆さまと連携して実施しておりますが、現在も、ご支援、ご協力いただける企業や団体の皆さまを募集しています。海や砂浜の自然環境の問題の解決を目指してNACS-Jと連携しませんか!?ご連絡お待ちしております。
企業連携専用のお問合せフォーム
※砂浜ムーブメントで連携している企業や団体様は、特設サイトにロゴを掲載させていただいております。こちらをご覧ください。
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部
担当:志村、三好、櫻井、原田、岩橋
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp