2021.11.22(2021.11.24 更新)
創立70周年特別企画 NACS-J市民カレッジ99「尾瀬を知る ~過去・今・未来~」を開催しました
三菱商事株式会社
対象:一般市民学生
貢献:愛知ターゲット自然の守り手拡大日本の絶滅危惧種を守るSDGs
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、一人でも多くの方に日本の自然の美しさや大切さ、尊さ、守ることの大切さを伝えたいという思いから、NACS-Jに集う各分野のスペシャリストが講師を務めるオープンカレッジ「NACS-J市民カレッジ」(以下、Nカレ)を開催しています。
NACS-Jは2021年10月で創立70周年を迎えました。そこで、10月22日開催のシリーズ99は、NACS-Jの始まりの地・尾瀬をテーマにお届けすることとしました。
講師は、NACS-J職員として長年、国立公園のあり方や尾瀬の保全活動を担当し、現NACS-J参与である横山隆一さん。現在は奥利根自然センターの代表として尾瀬の保全に関わっています。
お話はまず「尾瀬」がどういう場所なのか、どういった自然環境なのかの紹介から始まりました。
「尾瀬」と聞いて多くの人が思い出すのはミズバショウが広がる湿原=尾瀬ヶ原の姿だと思います。この湿原の周囲には標高2000m級の山々があり、湿原以外に沼や川といった多様な環境があります。こうした多様な環境が尾瀬の貴重な生態系を生み出していることを丁寧に紹介いただきました。
後半は、NACS-J誕生のきっかけとなったダム建設問題からはじまる尾瀬の自然保護問題の歴史について。ダムや道路建設計画から守られた尾瀬には多くの登山者が訪れ、オーバーユースによる自然破壊が発生します。その後、登山客は減りますが、現在ではニホンジカの増加、登山道踏み荒らしなどの問題が起こっています。
尾瀬は国立公園、特別天然記念物、森林生態系保護地域、ラムサール条約湿地という4つの自然保護地域に指定され制度的には守られた地域ですが、実際にはさまざまな問題があることが話されました。
職員時代に数えきれないほど尾瀬に通い、尾瀬を歩き抜いた横山さんからみた尾瀬の自然の魅力、これまでの自然保護の歩みと今起こっている問題について話していただき、これから尾瀬はどうあるべきなのか、参加者の皆さんと一緒に改めて考えたセミナーとなりました。
お話の後には、オゼ・ミュージックアンバサダーをつとめるシンガーソングライター・Miyuuさんから届いた創立70周年特別応援メッセージと、尾瀬をテーマにした名曲「夏の思い出」の歌のプレゼント動画を流しました。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
感想の一部をご紹介
- 尾瀬について詳しく説明してくれて非常に良かった。尾瀬に行ってみたくなりましたが、軽い気持ちではなく装備や自然等を考えて行くことが大切だと思いました。
- 尾瀬の希少性はじめ様々なことがよく解り、また、今なお山積する諸問題を知ることもできました。
- 国立公園ではないが完全に観光地となっている地元の都立公園の自然保護問題を考えるうえで留意していきたい。
- 是非、次世代に残したい環境である。日本自然保護協会の更なる貢献を期待したい。
- 70過ぎた今も低山をたまに歩きますが、20代の頃に行った尾瀬を思い出しました。お話の通りで、今思い出しても無知なことがたくさんあったと、おはずかしい限りです。早速、図書館から『はるかな尾瀬」を借りて読み始めました。遅ればせながら自然保護活動の意義を再勉強いたします。大切なことを思い出すことが出来ました。
次回のNACS-J市民カレッジはいよいよ100回記念。創立70周年として、これまでの自然保護を振り返った今回に続き、次回はこれからの自然保護と自然を活かした社会づくりをテーマにする予定です。お楽しみに!
※ Nカレは、会員、寄付サポーターとしてNACS-Jの活動を支えてくださっている三菱商事株式会社と一緒に開催しています。
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部
担当:志村、三好、櫻井、岩橋
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp