2021.06.09(2021.07.19 更新)
染織家の吉岡更紗さんを講師にNACS-J市民カレッジ95「四季と自然が織りなす日本の色」を開催しました
三菱商事株式会社、染司よしおか
対象:一般市民学生
貢献:自然の守り手拡大SDGs愛知ターゲット
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、一人でも多くの方に日本の自然の美しさや大切さ、尊さ、守ることの大切さを伝えたいという思いから、NACS-Jに集う各分野のスペシャリストが講師を務めるオープンカレッジ「NACS-J市民カレッジ」(以下、Nカレ)を開催しています。
シリーズ95回目となる今回は、京都の地で江戸時代から続く染屋「染司よしおか」の六代目当主吉岡更紗さんを講師にお迎えして「四季と自然が織りなす日本の色」をテーマに開催しました。植物が生み出す日本の色の成り立ちや魅力、自然との関係などについて皆さんと一緒に学びました。
赤、青、黒、白、黄色、緑・・・。今回のNカレは「色」に注目してみました。「色」と一概に言っても、日本の伝統色といわれる色だけで200から300、それ以上あるとも言われています。今回の講師をお願いした吉岡更紗さんは、化学染料が大半になってしまった現代社会のなかで日本の伝統色を自然の材料を使って染め上げることを大切にしている染織家です。
色の始まりは赤と黒からはじまったお話しや、絹の登場が染色史上とても重要な契機になったこと、平安時代に編纂された延喜式には色の名前や染め方などが載っているお話など、色の成り立ちからはじまり、植物の名前がそのまま色の名前になったお話など、色と自然の関係について皆さんと学びました。
今回のNカレは、2013年からスタートしたNカレ史上もっとも多い約350名のお申込みをいただきました。日本全国だけでなくイギリスから参加してくださった方もいらっしゃり、たくさんのご質問や感想もいただき、とても盛り上がりました。
感想の一部をご紹介
- 「色の成り立ちや絹と植物の染料の相性の良さ等、たくさん勉強になりました。日本ならではの色についてもっと知りたいので、続編を開催頂きたいです。」
- 「絹と染色の始まり、木綿と藍色の話など興味深く思いました。専攻が万葉集だったので、紫色を歌った詩が懐かしかったです。」
- 「何気なく使っている色の名前が、当たり前なのですが植物由来だったりすることに感動しました。」
- 「色や色名に歴史や文化が強く反映されていることがわかり面白かったです。」
- 「自然素材が豊かな色を生み出すこと、また歴史的な文献が日本には多く残されていること等とても興味深く、また柔らかな口調での講義が、とても癒しでもありました。ありがとうございました!」
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。Nカレは、これからも毎月1回を目安に、いろいろなテーマをオンラインセミナー形式で開催していく予定です。
ご興味のあるテーマや、お時間のある時には、ぜひご参加ください。
※「染司よしおか」京都店の場所は以下のリンクをご覧ください。京都に行かれる機会があればぜひお立ち寄りください。
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部
担当:志村、三好、櫻井、岩橋
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp