2020.04.17(2020.04.20 更新)
新潟県十日町の里山を舞台に、ノエビアグリーン財団の「未来につながる環境教室」開催に協力しました
公益財団法人ノエビアグリーン財団
対象:一般市民ファミリー子ども
貢献:愛知ターゲット自然の守り手拡大SDGs
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、NACS-Jの活動を会員として支えてくださっている公益財団法人ノエビアグリーン財団(以下、ノエビアグリーン財団)とともに、小学生の親子を対象とした「未来につながる環境教室」を新潟県十日町市立里山科学館「森の学校」キョロロ(以下、キョロロ)を舞台に2019年10月27日に実施しました。
朝早く東京駅に集合して上越新幹線で越後湯沢駅に到着したら、大型観光バスに乗り換えて、十日町市のキョロロまで車窓の風景をながめながら開会式や自己紹介を行いました。気持ちもほぐれて今日一日の楽しみが募ります。
キョロロに到着した後は、講師の小林誠さんからお米を炊くための「ぬか釜」のお話を聞きました。お米を精米したときに出るもみ殻とスギの葉などの自然のものを燃料としてご飯を炊く「ぬか釜」。
ちょうど火が消える頃に炊き上がる、昔の炊飯器です。お昼ご飯のためにキョロロでとれたお米をセットして点火!炊き上がりが楽しみです。
火がついたのを見届けてから、日本一美しいといわれるブナの二次林「美人林」へ。きれいな色の落ち葉を見つけてみたり、その落ち葉がどんな風に土になっていくのかを観察しました。
ふかふかの土には雨水や雪解け水が蓄えられ、土の間を通ってきれいにろ過されます。その水が田んぼで使う農業用水や私たちの飲み水になります。
ブナ林から帰ってくるとちょうどお昼の時間。セットしておいたぬか釜のお米がふっくらとおいしそうに炊き上がっていました。みんなでおにぎりを作っていただきます!
お昼ご飯の後は、食べたお米がとれた田んぼとため池で、生きもの観察をしました。今はあまり見ることのできない、ゲンゴロウやメダカなどたくさんの水辺の生きものを見つけることができました。
いろんな生きものが安心して暮らせる田んぼは、お米もおいしく育つんですね。
そんなお米も、精米する途中で割れてしまうものや粒の小さいものなどは売り物にせず、新潟では「あんぼ」という保存食にして地域で消費していました。
「あんぼ」とは粉状にしたお米(米粉)に水を加えて練り、中に大根菜や小豆をいれて茹でたおまんじゅうのようなおやつです。
最後はそんな伝統食「あんぼ」づくりにもチャレンジしました。
茹で上がった「あんぼ」を食べながら、今日一日の振り返りをしてキョロロを後にしました。
参加者の皆さまからはこんな感想をいただきました。
(大人)
- 物の価値やありがたみが実感として湧くような体験でした
- 食と結び付けて、自然を体験できました
(子ども)
- ブナ林の葉のじゅうたんが厚くておどろいた
- 自然とふれあえてうれしかったです!
- 生きもの観察がたのしかった
普段当たり前に食べているお米がたくさんの自然の恵みによって作られていることに気づき、里山の生物多様性や文化、歴史を身近に感じこることができる一日となりました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
未来につながる環境教室
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部
担当:大野
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp