2020.03.10(2020.03.23 更新)
【実施報告まとめ】「砂浜ムーブメント2019」全国各地でたくさんの皆さまが参加してくださり、砂浜を見てくれる人が増えました。
株式会社バイオーム、株式会社ピリカ、こくみん共済 coop〈全労済〉、日清フーズ株式会社など
対象:ファミリー子ども学生一般市民従業員
貢献:SDGs愛知ターゲット自然の守り手拡大日本の絶滅危惧種を守る壊れそうな自然を守る
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、海や砂浜が直面している自然環境の問題に力を注いでいます。
昨年実施した「砂浜ムーブメント2019」は、自然海岸の減少や海ごみなどの問題をひとりでも多くの人に知ってもらい、地域ごとになりがちな活動を各地で一体的に展開し、日本全国で砂浜や海を見る目を増やすこと(目指せ10万人のムーブメント)を目標に実施しました。
企画名 | 砂浜ムーブメント2019 |
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実施日 | 2019年9月20日〜12月31日 |
対 象 | 全国の市民(子供、家族、学生、企業など含む) |
内 容 |
|
その他 | 「BIOME(バイオーム)」と「PIRIKA(ピリカ)」と連携し、アプリを使って誰でも気軽にこの取り組みに参加していただけることを目指しました。 |
砂浜ムーブメント2019の呼びかけ
今回の企画では、チラシをつくり、NACS-Jの会員や寄付サポーターの皆さま(会報誌の購読者約2万名)を中心に全国に配布しました。
NACS-Jのウェブサイトや、「BIOME(バイオーム)」と「PIRIKA(ピリカ)」のアプリのなかでも専用ページをつくり、SNSなどでも参加を呼びかけました。朝日新聞も取り上げてくれました。
ミッション1
砂浜に行こう!砂浜で遊ぼう!
1番目のミッションでは、まずは気軽に砂浜に行ってもらう、砂浜で遊んでもらうことを呼びかけました。そして、「#砂浜」をつけてSNSやブログなどで発信してもらいました。SNSやブログのすべてを集計することは難しく、正確な数字はわかりませんが、砂浜ノートに申込をしてくれた63%(701人)の方が1番目のミッションに参加してくれました。潜在的にはもっと多くの方々がこのミッションに参加してくださったと思われます。
Twitterで見つけた投稿
ミッション2
砂浜や河川でゴミを拾おう!
2番目のミッションでは、砂浜や河川のゴミを拾ってもらうことを呼びかけました。そして、ごみ拾いSNS・アプリの「PIRIKA(ピリカ)」へ投稿してもらいました。
その結果、2,788人の方がゴミ拾いに参加してくださり、2,266件の投稿がありました。期間中に375,859個のゴミが拾われました。また、投稿全体で約62,000回「ありがとう」ボタンが押され、投稿を通じて約33,000人以上の方にこの活動を知っていただくことができました。(※砂浜や河川に流れ着かせないために街なかのゴミ拾いも可としています)
投稿データの一部
ミッション3
砂浜で自然を観察しよう!
3番目のミッションでは、砂浜の自然や生きものを観察してもらうことを呼びかけました。そして、いきものコレクションアプリ「BIOME(バイオーム)」へ投稿してもらいました。その結果、1,018人の方が参加してくださり、7,083件の砂浜やその周辺に生息する生きものの投稿がありました。
今後、投稿された写真データなどの分析を進め、砂浜とその周辺の生物多様性保全活動に活かしていきます。分析の結果は、2020年5月~6月頃にNACS-Jのウェブサイト上で改めて報告させていただく予定です。
投稿データの一部
ミッション4
砂浜で自然観察会を開催しよう!参加しよう!
4番目のミッションでは、砂浜で自然観察会を開催したり、自然観察会に参加してもらうことを呼びかけました。全国の開催件数や参加者のすべてを把握するのは難しく、正確な数字はわかりませんが、期間中にNACS-Jが主催、共催、協力した自然観察会には165人の方が参加してくださいました。参加者には海や砂浜への思いを「砂浜宣言」として書いていただいたりもしました。
期間中にNACS-Jが主催、共催、協力した砂浜の自然観察会
開催日 | イベント名 | 開催場所 | 参加者数 |
---|---|---|---|
2019.9.22 | 井手ヶ浜・長和瀬 自然観察会 | 鳥取県鳥取市 | 30名 |
2019.10.15 | 下地鳥17エンド自然観察会&ビーチクリーン | 沖縄県宮古島 | 30名 |
2019.10.19 | 虹の松原 自然観察会 | 佐賀県唐津市 | 27名 |
2019.10.19-20 | 自然観察指導員研修会2019 〜砂浜を見る目を持つ仲間を増やそう!〜 |
愛知県豊橋市 | 9名 |
2019.11.17 | 干潟の自然かんさつ&ビーチクリーンin藤前干潟 | 愛知県名古屋市 | 18名 |
2019.12.7 | 砂浜の自然かんさつ&ビーチクリーンin三浦半島 | 神奈川県三浦半島 | 悪天候のため中止 |
2019.12.8 | 砂浜の自然かんさつ&ビーチクリーンin徳島 | 徳島県徳島市 | 30名 |
2019.12.14 | いざ砂浜へ!砂浜での清掃活動&自然観察in三浦半島 | 神奈川県三浦半島 | 35名 |
ミッション5
砂浜や海のセミナー、シンポジウムに参加しよう!
5番目のミッションでは、砂浜や海のことをより詳しく知っていただくために、セミナーやシンポジウムへの参加を呼びかけました。こちらも全国の開催件数や参加者のすべてを把握するのは難しく、正確な数字はわかりませんが、期間中にNACS-Jも砂浜や海に関するセミナーとシンポジウムを主催、協力し、297名の方が参加してくださいました。
砂浜ノートの配布
今回の企画では、海や砂浜のことを学ぶことができる「砂浜ノート」を制作し、希望者やイベントの参加者、関連施設等へ配布しました。
内容は小学生でも理解できるレベルにし、海洋プラスチックなどの海ごみの問題をはじめ、砂浜の特徴や、自然観察のポイントなどをまとめたノートに仕上がりました。
今回の企画では、1,113名の方がお申込みくださり、NACS-Jが独自に配布したものとあわせて2,532冊を期間中に配布しました。ノートは好評をいただき、これからの活動のなかでも積極的に活用していく予定です。
まとめ
今回実施した「砂浜ムーブメント2019」は、試行錯誤のなかで、発信やとりまとめなどが不十分だったりと反省点もありました。一方で、そのような状況の中でも多くの皆さまがご賛同くださり、それぞれの活動に参加してくださったことはひとつの成果と感じています。
特に「BIOME(バイオーム)」を通じて得られた生きもののデータは、減り続ける砂浜の生物多様性保全にとって大切なデータになる可能性があり、現在、分析と考察を進めています。
NACS-Jでは、これらの成果を会報誌などでも発信して、日本の海と砂浜が直面している自然環境問題に対して取り組み続けます。参加してくださった皆さま、どうもありがとうございました。
砂浜に行ってくれた人数※1 | 701人 |
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ゴミ拾いに参加してくれた人数※2 | 2,788人 |
ゴミ拾いの投稿件数※3 | 2,266件 |
拾われたゴミの個数※2 | 375,859個 |
ゴミ拾いに対する「ありがとう」の数※2 | 約62,000個 |
ゴミ拾いが周りの人に影響を与えた数※2 | 約33,000人 |
砂浜の自然を観察してくれた人数※4 | 1,018人 |
砂浜と周辺に生息する生きものの投稿件数※4 | 7,083件 |
自然観察会、セミナー等への参加人数※4 | 462人 |
砂浜ノートの配布数※1 | 2,532冊 |
※1:NACS-Jで把握できた数に限る、※2:PIRIKAで握できた数に限る、※3:PIRIKAでの投稿に限る、※4:BIOMEで把握できた数に限る
謝辞
今回の企画では、多くの企業・団体の皆さまにご支援、ご協力をいただきました。ご支援、ご協力いただいたすべての皆さまに心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
特に、株式会社バイオームと株式会社ピリカには企画の立上げ段階から多大なご支援とご協力をいただきました。実施にあたっては、こくみん共済 coop〈全労済〉、日清フーズ株式会社からも温かいご寄付をいただきました。株式会社マツモトキヨシホールディングスからのご寄付の一部も活用させていただきました。
また、株式会社ニコン、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、株式会社タムラ製作所、三菱地所株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社ラッシュジャパンは従業員の皆さまなどに呼びかけをおこなってくださいました。
次年度について
砂浜ムーブメントは、次年度も実施する予定でおります。今年度は季節的に難しかった北海道でも参加の希望をいただくなどしており、次年度は5月から10月末までを期間と定め実施する予定です。
引き続き、多くの皆さまのご支援とご協力を賜れれば幸いでございます。よろしくお願いいたします。
公益財団法人日本自然保護協会
自然のちから推進室 担当:三好、志村、岩橋
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp