2018.06.27(2019.01.25 更新)
長池公園で わぉ!わぉ!観察会「春の草花咲かせ隊!雑木林で希少種タマノカンアオイを守る活動体験」を開催しました
ソニー株式会社、NPOフュージョン長池
対象:一般市民ファミリー子ども
貢献:自然の守り手拡大SDGs愛知ターゲット
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、ソニー株式会社(以下、ソニー)と協働している「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」で、希少種タマノカンアオイの保全作業を親子で体験する観察会を開催しました。
NACS-Jは、生物多様性を守るためにはより多くの人が自然を好きになるようにという思いから、ソニーと協働として「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」を行っています。長池公園(東京都八王子市)では、貴重な地域固有種タマノカンアオイを守るために、林床を覆ってしまうアズマネザサを刈り取る作業を行っています。今回は、この保全活動を「わぉ!わぉ!観察会」の一環として2018年3月17日に開催しました。
最初に、長池公園副園長の小林健人さんからタマノカンアオイの不思議な生態を学びました。林床で落ち葉に埋もれるように咲く花はとても地味で、キノコになりきって腐敗臭を放ち、キノコバエに花粉を運んでもらう作戦をとっています。種はアリに運んでもらうため、分布を拡げるのに何年もかかることなど、子どもたちも興味深くお話しを聞いていました。
参加者一同、安全管理のためにヘルメットをしての保全作業。タマノカンアオイを雑木林の斜面から探すことからスタートしました。冬でも枯れない「寒葵(カンアオイ)」の葉は、落ち葉に埋もれているものが多く、間違って踏んでしまわないように探していると、「ここにもあったよー」「この株は大きいよー」、と声があがりました。
見つけたタマノカンアオイにマーキングの杭を立て、その周辺にはびこるササを剪定バサミで取り除いていきました。
この雑木林にはいろいろな野生動物も生息していて、コロコロとしたノウサギの糞や、藪の中にぽっかり開いたアナグマの巣穴も観察することができました。しかし、多摩丘陵の雑木林(落葉広葉樹林)は開発のために急激に減少し、生育地を失ったタマノカンアオイは絶滅の危機にあります。参加者の皆さまは、この保全作業を通して雑木林の素晴らしさや重要性を肌で感じることができたようです。
アンケートでも、「自然の大切さや魅力により一層気がつけました」「実際に活動してみて、自然の中で生きるのはいいなぁと思いました」とうれしいコメントの数々をいただきました。
参加してくださった皆さま、どうもありがとうございました。
わぉ!わぉ!観察会
「春の草花咲かせ隊!雑木林で希少種タマノカンアオイを守る活動体験」
開催日:2018年3月17日(土)9:30~12:00
開催場所:八王子市長池公園(東京都八王子市)
参加人数:小学生以上の親子22名
主催:わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト
ソニー(株)、(公財)日本自然保護協会
協力:NPOフュージョン長池
講師:小林健人(八王子市長池公園副園長)
生物多様性を守るには、多くの人が自然を好きになることが大切。その思いから、ソニーと環境NGOである日本自然保護協会(NACS-J)が協働で立ち上げたのが、この「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」です。
「わぉ!」という言葉は、自然のおもしろさや不思議に触れたときの感動を表したものです。この「わぉ!」な感動を多くの人に伝え、みんなで共有することで「わぉ!わぉ!」という大きなムーブメントに育て、生物多様性の保全につなげていきます。
※日本自然保護協会の活動は皆様からの会費やご寄付で支えられています。日本自然保護協会の活動にご支援をよろしくお願いいたします。
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