2022.08.08(2023.01.20 更新)
- オンライン開催
- 2022年7月9日
【報告】モニ1000里地調査 次期一般サイト募集オンライン説明会を開催しました!<後編>
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こんにちは、日本自然保護協会(NACS-J)でインターンをしております筑波大学大学院修士2年の深澤春香です!
2022年7月9日(土)にオンライン開催した「モニタリングサイト1000里地調査(以降、モニ1000里地調査) 次期一般サイト募集説明会」の報告の続きとして、調査項目別の内容説明の様子を中心に報告します。
※長文となったため、記事を分割しています。前編の報告は>>こちら<<
「調査項目別の内容説明」
モニ1000里地調査の調査項目は7つ(植物相、鳥類、中・大型哺乳類、カヤネズミ、カエル類、チョウ類、ホタル類)あります。希望の調査項目についてより深く知って頂くために、Zoomのブレイクアウトルーム機能を使用して項目ごとに分かれて説明を行いました。
ここでは私が担当したチョウ類について様子をお伝えします。
このルームには、8名の方が参加され、NACS-Jの高川が調査方法の説明を行いました。
チョウ類は、幼虫の頃に特定の植物を食べ、成虫の頃には、花粉を運んだり樹液を吸ったりすることから、生活史を通じて植物との深いつながりを持つ生物のため、里山の植生変化を把握できる指標として、調査が行われています。
具体的な調査方法としては、調査ルートを設定し、チョウ類の出現期(主に4月〜11月上旬)に月2回、そのルートを歩き、確認されたチョウの種名と数の記録を行います。
(モニ1000里地チョウ類調査概要版から引用)
説明後、参加者の方から質問が複数ありましたので、2つ抜粋して紹介します。
Q1:月2回の調査を継続することができるのか
1つ目の質問は、チョウ類調査は7つの項目の中でも、最も調査回数が多いことからでした。これについては、現時点で多くのサイトでは問題なく取り組んでいただいていること、そして楽しんで調査することを大事にしてほしいということから、最初は月1回の調査から増やしていくという形でも構わないという回答がありました。また、大石氏からは、複数人での調査日と個人での調査日をそれぞれ設けることで、調査体制を工夫することが可能であるとのアドバイスいただきました。
Q2:1人で、チョウ類を含めた3つの調査項目に取り組むことは可能か
これに対しては、知識があるとしても、調査の回数を考えると難しいという回答がありました。また、調査の継続性を踏まえると、知識のある方が先頭に立ち、調査を複数人で行うことを事務局としては推奨したいということも伝えられました。
このほかにも具体的な調査方法に関する質問や調査予定地での実現可能性についての質問があり、参加者の方が前向きに調査に取り組もうとされている様子が伺え、非常に良い空間であったと感じました。
他のルームでも活発な質問や議論があったそうで、説明会に参加してくださった方にとって実りある時間になったと確信しています。
おわりに
今回の説明会にスタッフとして参加し、里山の生態系を長期的にモニタリングし、その変化を捉え、生態系及び生物多様性の保全につなげることの重要性を強く感じました。
オンラインと形式での開催ではありましたが、調査員の大石氏や、今後調査員になられるであろう方々の熱意を感じ、里山の保全活動の輪が広がっていく、まさにその瞬間を見たようで非常に嬉しくなりました。
一方で、今後モニ1000里地調査が掲げる100年間のモニタリングを実現させるためには、調査の継続性というものが課題であると感じました。この課題の解決のためには、モニ1000里地調査の魅力をより多くの人に知っていただくことや、調査担当者の交代、学生などの若い世代の参加を推進していくことが必要だと思います。
今後は、私の大学生としての視点を活かしながら、モニ1000里地調査をはじめとしたNACS-Jの活動や、生物多様性保全の重要性の普及に貢献できるよう、積極的にインターンに取り組んでいこうと思います。
また、実際に現場で調査をされている方から学ぶことが非常に多く、今後現場に行くこともこのインターン活動の中で達成したい目標となりました。
最後に、微力ですがこのような説明会の運営に携わることは、非常に価値のある経験となりました。参加していただいたみなさま、誠にありがとうございました!
そして、このレポートを最後まで読んで下さったみなさん、本当にありがとうございます。一人ひとりの力は小さくても、それが集まれば大きな成果を挙げることにつながります。あなたも、モニ1000里地調査に参加して、未来の里山を守ってみませんか?みなさんの参加をお待ちしております!