2017.08.29(2017.08.29 更新)
【イベント報告】新しい調査サイトを募集するための地方説明会を東京で開催しました。
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こんにちは、江戸川大学3年の生沼美夏です。現在、損保ジャパンCSOラーニング制度でインターンとして、全国約200ヵ所の里山で、地域ごとに市民が主役となってモニタリング調査を行う「モニタリングサイト1000里地調査」に関わっています。その一環として、8月19日に行われた新しい調査サイトを募集するための地方説明会にスタッフとして参加させていただきました。今回はその概要や会場での様子をお伝えしたいと思います。
「モニタリングサイト1000里地調査」は、全国調査が開始してから10年が経ち、来年度から新たに5年間調査に参加してくださる新しい調査サイトを募集することとなりました。
それに合わせて今年は、全国3ヵ所で、調査サイトの募集のための説明会を開催しています。
今回は、全国からも集まりやすい東京での開催回として、8月19日に中央区立環境情報センターで説明会を開催しました。当日は秋田、長野、山梨など遠方からもお越しいただきました。今回の説明会では、①モニ1000里地調査の概要とこれまでの成果や、②現場で調査に関わっている調査員の方からの調査活動の様子と成果活用について、そして③調査項目別の概要説明、④応募方法と参加のメリットについてお伝えしました。
はじめに、NACS-J後藤からモニ1000里地調査の概要とこれまでの成果を発表しました。モニ1000里地調査では、里山の自然環境を総合的に把握するために9つの項目を毎年季節ごとに、市民の方々が中心となって観察を行います。地域に暮らす市民だからこそ、環境や生き物の変化に気づきやすく、自然の恵みの価値がわかるのです。また調査を行うことで、生物の増減や環境変化が明らかになるだけではなく、その里山に関わる多くの人に伝えるための保全の根拠となり、成果の共有・発信が可能になります。これらの調査を各地域全国に行うことで今まで困難だった里やまの全国規模の生物多様性観測ネットワークが実現し、「伝え、守る」力につながります。
次に、埼玉県飯能市で活動するNPO法人天覧山・多峯主山の自然を守る会の大石章さんから、モニタリング時の取り組みと成果をご発表いただきました。
活動場所である天覧山・多峯主山周辺は、過去の開発計画から守られた後、市民、行政、企業で保全活動を行っている場所です。調査を始めたきっかけは、樹木・笹薮等の伐採が現場で行われたときに、その影響をデータで見る必要を感じたことだったそうです。モニ1000に参加した事により調査したデータを保全、再生活動にフィードバック・他団体共有し環境への影響把握を行っています。また、調査結果報告会を毎年冬に自主的に開催しており、情報、責任感を共有し、調査の意欲の向上になっています。
モニタリング調査を行っていく中での課題として、各項目担当者ほぼ1人のため新人の発掘や数年ではデータ分析が困難のため近隣の調査地との情報交換が必要なことなどについても発表されました。発表の後には、新人勧誘の方法はどのようにしているか現場で行っている作業など、様々な質問が寄せられました。
調査項目別の概要説明では、調査項目ごとにグループになって情報を共有しました。どのグループも熱心な話し合いとなり、事務局からの説明だけでなく、それぞれの団体の活動の様子を共有するなどして大変盛り上がりました。
最後に、今回の説明会を通じ、私自身、全国で多くの団体が、後継者問題など課題のある中でも、自然を守るために熱心に活動していることを知り、とても勉強になりました。モニタリングサイト1000里地調査も100年先を目指した事業ですが、私も100年先の未来にも自然をつないで守っていくためにはどんなことができるかこれからも考えていきたいと思います。
今回お盆明けの休日にも関わらず説明会にお集まりいただいた皆様、お忙しい中本当にありがとうございました。
モニ1000里地調査の新規サイトの募集は今年度10月中旬まで実施しています。
皆さまからの多くのサイトのご応募をお待ちしております!
※次の地方説明会は、8月31日(木)に東京で開催します。
関心のある方は是非お越しください。