2024.01.10(2024.01.11 更新)
ホープスポット 辺野古・大浦湾一帯の埋立工事開始に強く抗議します
(写真:牧 志治 氏)
- 2019年10月、辺野古・大浦湾一帯(沖縄県名護市)は、生物や地形の多様さから世界的にも重要性が認められ、日本初のホープスポット(Hope Spot:希望の海)に認定された。
- 本日、政府が米軍普天間飛行場代替施設建設事業として工事開始した大浦湾側エリアは、新種、貴重種、日本初記録種などが多数発見されている。大浦湾は深い起伏を持つ複雑な地形を有し、この海域特有の生物多様性を支える非常に重要な環境である。
- 日本自然保護協会は、これまで辺野古・大浦湾の自然環境調査およびこの海域の生物多様性の保全を求めてきた立場から、工事を進める政府に強く抗議する。
公益財団法人日本自然保護協会(理事長:亀山 章)は、沖縄県名護市の辺野古・大浦湾の自然環境の調査を実施し、この海域の重要性にもとづいて生物多様性の保全を求めてきた立場から、本日1月10日に開始した大浦湾側での埋め立て工事を進める日本政府に対して強く抗議します。
意見書概要
- 辺野古・大浦湾の海域において、公有水面埋め立て承認後の10年の間にも、新たな動きや多くの新発見、環境変化があった
➢2019年10月には、そのエリアの生物および地形の多様性と重要性から、米国NGOミッションブルーにより、日本初のホープスポット(Hope Spot:希望の海)に認定
➢今回着工される大浦湾側エリアでは新種、貴重種、日本初記録種などが発見
- 辺野古・大浦湾には、わずか20平方kmほどの範囲に5,300種以上の生物が生息しており、生物多様性が高いことで知られるハワイのパパハナウモクアケ海洋国立モニュメント(151万平方kmに7,000種)と比較しても、その重要性から保護すべき区域であることは明白
- 2022年12月には生物多様性条約COP15で、国を含めたあらゆるセクターがネイチャーポジティブ実現に向けてアクションを起こすことが国際目標として合意されたが、この工事着工は国際社会の潮流に逆行する
- 当会は、辺野古・大浦湾の生物多様性の重要性から、埋め立て工事を中止し、本事業の見直しを強く求める
ご参考
公益財団法人 日本自然保護協会について
自然保護と生物多様性保全を目的に、1951年に創立された日本で最も歴史のある自然保護団体のひとつ。ダム計画が進められていた尾瀬の自然保護を皮切りに、屋久島や小笠原、白神山地などでも活動を続けて世界自然遺産登録への礎を築き、今でも日本全国で壊れそうな自然を守るための様々な活動を続けています。「自然のちからで、明日をひらく。」という活動メッセージを掲げ、人と自然がともに生き、赤ちゃんから高齢者までが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会を目指して活動しているNGOです。山から海まで、日本全国で自然を調べ、守り、活かす活動を続けています。
http://www.nacsj.or.jp/
これまでの主な活動
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への埋め立て申請承認に対し強く抗議する(2013年12月)
サンゴの状態が良好な辺野古の海で強行な埋め立て作業が始まってしまっています(2015年2月)
日本初のホープスポットに辺野古・大浦湾一帯が認定されました(2019年10月)
辺野古・大浦湾ホープスポットの看板を設置しました(2022年8月)
本リリースに関するお問合せ
日本自然保護協会 保護・教育部 安部
Tel: 03-3553-4101(受付時間:10時30分~17時)
Email: abe@nacsj.or.jp
〒104-0033 東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
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