2023.01.05(2023.01.19 更新)
農業基本法に環境保全を!「農業基本法改正と多面的機能を考える集い」開催のお知らせ
- 自然保護団体5団体が、日本の農地における生物多様性保全や農業環境政策のあり方について考えるシンポジウムを2023年1月21日(土)に開催
- 2022年より法改正が開始された“農政の憲法”といわれる「食料・農業・農村基本法」の課題や、農業環境政策の先進国EUからみた日本の農政の今後のあり方について議論
農林水産省は、“農政の憲法”といわれる「食料・農業・農村基本法」(以下「基本法」)の改正作業を進め、2024年に国会に改正案が提出される予定です。
この基本法のもと、圃場整備や農薬の使用などを進めた結果、食料増産や効率化が進んだものの、環境への負荷が増え、農業の土台となる生物多様性の損失が続くなど、農業の持続可能性が危ぶまれています。さらに、日本の農業人口減少や食料自給率の低迷に加え、近年では世界人口の増加や、ロシアによるウクライナ侵攻によって、海外からの輸入に依存している食料・化学肥料・燃料の不足も危機となっています。国内の食料の安定供給のためにも、まさに今、日本の農業は持続的な方向への見直しを迫られています。
基本法において、生物多様性を含む自然環境保全・国土保全・水源涵養機能など、農地がもつ多面的機能は「適切かつ十分に発揮されなければならない」と定められています。しかし、農地から多くの生き物が姿を消すなど、農業の有する多面的機能は損なわれています。
日本自然保護協会(NACS-J)をはじめ、環境NGO5団体が中心となる「生物多様性と農業政策研究会」では、1月21日にシンポジウムを開催し、基本法改正の動きについて、多面的機能の発揮という側面から、日本の農地における生物多様性保全や農業環境政策のあり方について考えます。
【チラシ】農業「基本法」改正と“多面的機能”を考える集い(PDF/2.0MB)
【当日次第】農業「基本法」改正と“多面的機能”を考える集い(PDF/702KB)
開催概要
プログラム
1.開会あいさつ・趣旨説明(11:00~11:10)
公益財団法人 日本自然保護協会 藤田 卓
2.論点整理(11:10~12:00)
特定非営利活動法人 オリザネット
<休憩 12:00~13:00>
3.基調講演 多面的機能について(13:00~13:40)
法政大学 西澤 栄一郎
4.農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律の課題(13:40~14:20)
公益財団法人 日本自然保護協会 藤田 卓
5.環境NGOの意見(14:20~15:40)
公益財団法人 日本野鳥の会、公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン、特定非営利活動法人 ラムサール・ネットワーク日本
6.意見交換(15:40~16:20)
7.閉会(16:20)
ご参考
生物多様性と農業政策研究会について
2018年11月より、欧米や国内の農業政策と生物多様性保全の事例研究をもとに、日本における生物多様性保全と農業環境政策のよりよいありかたを目指すことを目的として、公益財団法人日本自然保護協会、公益財団法人日本野鳥の会、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン、NPO法人ラムサール・ネットワーク日本、NPO法人オリザネットの5団体が中心に開催されている研究会。
公益財団法人 日本自然保護協会について
自然保護と生物多様性保全を目的に、1951年に創立。70年にわたり活動を続けてきた日本で最も歴史のある自然保護団体のひとつ。ダム計画が進められていた尾瀬の自然保護を皮切りに、屋久島や小笠原、白神山地などでも活動を続けて世界自然遺産登録への礎を築き、日本全国で壊れそうな自然を守るための様々な活動を続けています。「自然のちからで、明日をひらく。」という活動メッセージを掲げ、人と自然がともに生き、赤ちゃんから高齢者までが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会を目指して活動しているNGOです。山から海まで、日本全国で自然を調べ、守り、活かす活動を続けています。
http://www.nacsj.or.jp/
関連情報
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2022.08.05「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律」の施行規則および基本方針に関するパブコメを提出
本リリースに関するお問合せ
公益財団法人日本自然保護協会 生物多様性保全部:藤田・福田
メールアドレス:satoyama@nacsj.or.jp
電話:03-3553-4101(受付時間:10時30分~15時)