2020.11.21(2020.11.21 更新)
熊本県知事が国に求めた「流水型のダム」は河川生態系に影響を及ぼす可能性があり 改めて必要性を検討すべき
熊本県知事が国に求めた「流水型のダム」 河川生態系に影響を及ぼす可能性あり 改めて必要性を検討すべき( PDF/986 KB )
主な内容
- 生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)が注目されるなか、「命と環境の両立」を位置づけたことは評価できる。
- 球磨川豪雨検証委員会では、洪水の流量とダムの効果の検証に終始し、荒瀬ダムの検証や流域の土石流などの検証はされておらず、本来の流域治水に向けて、総合的な検証を行ったとはいえない。
- 「球磨川流域治水協議会」において、流水型ダムの選択肢は熊本県や国土交通省九州地方整備局からも一斉提示されておらず、議論の俎上に載っていないにもかかわらず知事が「流水型のダム」を突如表明したことに違和感がある。
- 川辺川で想定される「流水型のダム」は巨大なものであり、土砂の堆積により河川環境は変化し、アユをはじめとする遡上性魚類の移動阻害になるなど、河川生態系に影響を及ぼし、川辺川の清流は維持できなくなる可能性がある。
- 知事がアセス法にもとづく環境アセスメントを国に求めたことは評価するが、その以前にメリット・デメリット、環境影響、費用対効果などの点から流水型ダムの必要性を改めて検討すべきである。
詳細は、下記URL先の意見書をご参照ください。
川辺川に「流水型のダム」を求める表明に対して意見書を提出しました(オフィシャルProに移動します)
日本自然保護協会 保護部 部長 大野正人
Tel: 03-3553-4101
Email: ohno@nacsj.or.jp 〒104-0033 東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F