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2020.10.13(2021.01.06 更新)

代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を ―「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」への共同提言を提出

日本自然保護協会は、減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバーとして共同提言を提出しました。

陸から流出したプラスチックごみは、海洋に漂い、砂浜などに押し寄せています。プラスチックごみ問題を次世代に先送りしないために、代替品や熱回収よりも「総量規制」「リユース」を社会システムに構築することが課題と考えます。

プレスリリース「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」への共同提言(PDF/1.4MB)


主な内容

減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバー及び賛同20団体は、9月1日に政府より示された「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性(基本的方向性)」について、本日、深刻なプラスチック汚染を確実に解決できるような指針としていくよう求める、小泉環境大臣、及び、笹川環境副大臣宛ての共同提言書を提出しました。今後速やかに、経済産業省等の関係省庁や各主要政党にも提出する予定です。日本で発生する廃プラスチックの47%が、ほぼ使い捨て用途の容器包装である中、容器包装を中心にプラスチック製品の生産総量を大幅に削減(リデュース)することと、そのための社会システムの構築が、喫緊の課題です。しかし、基本的方向性では、「リデュースの徹底」といった言葉は使われているものの、実質的には、代替品利用とリサイクルの推進、そして熱回収が解決案の中心となっています。

プラスチックの大量生産と熱回収を含む焼却処理では、地球温暖化を加速させるCO2を発生させます。また、紙製やバイオマス素材の代替品の使用を廃プラスチックのリデュース施策と位置付けてしまうと、代替品が過剰生産され、原材料栽培地への転換による原生林の伐採など、新たな環境問題を発生させる可能性があります。さらに、リサイクルは素材の品質や機能の低下を伴うものがほとんどであり、現状では資源として循環していません*。今後世界で4倍にまで増えると予想されるプラスチック生産の増加を放置したまま、熱回収や代替品の使用を推進していくのでは、深刻化するプラスチック汚染の解決策とはなり得ません。加えて漁業活動等、海域で使用するプラスチックの問題への更なる対応や、拘束力のある国際的な解決の枠組みを早急に発足させることも重要です。

*品質を落とさずにリサイクルされているのはプラスチック容器包装のうち世界でわずか2%と言われている(世界経済フォーラム、2016)

そこで、減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバー及び 賛同20団体は、以下の内容を「基本的方向性」に取り入れることを求めます。

  1. 総量を削減するための実効性のある政策の早期導入
  2. 容器包装分野における、リユースを基本とした仕組みの導入
  3. 拡大生産者責任制度の確立
  4. 代替品の位置づけ見直しと、持続可能性の確保
  5. 漁具等、海域で使用するプラスチックの管理施策の促進
  6. 法的拘束力のある国際協定締結の推進

提言の全文はこちら

代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を ―「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」への共同提言を提出(※オフィシャルProに移動します)

 

■ 本リリースに関するお問合せ
日本自然保護協会 自然のちから推進部 志村
Tel: 03-3553-4101(受付時間:平日10時30分~15時) Email: shimura@nacsj.or.jp
〒104-0033 東京都中央区新川 1-16-10 ミトヨビル 2F

※コロナ感染拡大防止の観点からNACS-J事務局ではテレワークを推奨しています。そのため、お問合せはお手数ですが上記メールアドレスへご連絡ください。ご理解のほどよろしくお願いします。

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