2020.10.13(2021.01.06 更新)
代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を ―「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」への共同提言を提出
日本自然保護協会は、減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバーとして共同提言を提出しました。
陸から流出したプラスチックごみは、海洋に漂い、砂浜などに押し寄せています。プラスチックごみ問題を次世代に先送りしないために、代替品や熱回収よりも「総量規制」「リユース」を社会システムに構築することが課題と考えます。
プレスリリース「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」への共同提言(PDF/1.4MB)
主な内容
プラスチックの大量生産と熱回収を含む焼却処理では、地球温暖化を加速させるCO2を発生させます。また、紙製やバイオマス素材の代替品の使用を廃プラスチックのリデュース施策と位置付けてしまうと、代替品が過剰生産され、原材料栽培地への転換による原生林の伐採など、新たな環境問題を発生させる可能性があります。さらに、リサイクルは素材の品質や機能の低下を伴うものがほとんどであり、現状では資源として循環していません*。今後世界で4倍にまで増えると予想されるプラスチック生産の増加を放置したまま、熱回収や代替品の使用を推進していくのでは、深刻化するプラスチック汚染の解決策とはなり得ません。加えて漁業活動等、海域で使用するプラスチックの問題への更なる対応や、拘束力のある国際的な解決の枠組みを早急に発足させることも重要です。
*品質を落とさずにリサイクルされているのはプラスチック容器包装のうち世界でわずか2%と言われている(世界経済フォーラム、2016)
そこで、減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバー及び 賛同20団体は、以下の内容を「基本的方向性」に取り入れることを求めます。
- 総量を削減するための実効性のある政策の早期導入
- 容器包装分野における、リユースを基本とした仕組みの導入
- 拡大生産者責任制度の確立
- 代替品の位置づけ見直しと、持続可能性の確保
- 漁具等、海域で使用するプラスチックの管理施策の促進
- 法的拘束力のある国際協定締結の推進
提言の全文はこちら
代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を ―「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」への共同提言を提出(※オフィシャルProに移動します)
日本自然保護協会 自然のちから推進部 志村
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