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9/8(土)に「赤谷の森」の小出俣の自然林復元試験地※において、一般の方から参加者を募って "ブナ・ミズナラの芽生えを探そう!"を開催しました。当日は、天候にも恵まれ、5名の参加者とともに、ブナ・ミズナラ・コナラの芽生え調査を行いました。
※人工林を自然林に復元させるため、昨年8月にスギ人工林を伐採し、植栽に頼らず天然更新によって自然林に回復させるための大規模な伐採実験を行っている試験地。
試験地の詳しい様子は、下記のサイトをご覧下さい
http://www.nacsj.or.jp/akaya-blog/2011/08/post-46.html
いきもの村にて、ミーティング~最初に、この調査の目的や方法を、昨年調査を担当してくださった湘南学園の横山先生に解説してもらいました。
調査の目的
・この試験地において、自然林の主要構成種のブナ・ミズナラ・コナラの芽生えの分布を調べ 、種子がどこまで散布され、定着できるのかを把握する。
・伐採した後に芽生えが生き残っているか?成長しているのか?を調べる
昨年の調査結果
・ブナ、コナラの芽生えは、親木の近くに生えていて、約10m付近が最も多かった。
調査方法の説明、ブナ・ミズナラ・コナラの芽生えの見分け方のコツなどを伝授した後、全員で調査を開始!!
最初は、芽生えをなかなか見つけられず、見つけたと思ったら、サクラだったりと、あせる参加者の皆さん。しかし30分もしないうちに、目が慣れてきて、あちこちから"あった!!"と声があがります。見つけたら、芽生えの高さ、位置を計測します。この調査を通じて、ブナやコナラの芽生えは、1年間で数cm(暗い場所では)しか成長せず、もとの森林に戻るには、長い時間が必要なこと。ドングリは親木から数十mまでしか運ばれないことなどを体感しました。
参加者からは、宝物探しをしながら、森の仕組みを学べて楽しかったなどの感想がありました。
1箇所から、ブナの芽生えが5つもでていました。動物がブナのドングリを蓄えて、忘れてしまったのですね。
ブナの芽生え、1年前の2011年には、高さ25cm、2012年の今年は高さ31cmでした。1年間で6cmしか成長できないんです。
なお、この事業は「花椿基金」(資生堂社会貢献くらぶ)の助成を活用して実施しました。
地域づくりWGで進めている、「旧三国街道マップづくり」に一般の方の意見を反映する機会として、モニターツアーを実施しました。
民宿はしばに宿泊頂いた2名のモニターの方を含めた9名で三坂線~三国峠~新潟側登山口を歩きました。
エゾハルゼミの大合唱と沢筋から聞こえるタゴガエルの鳴き声。ブナの実生は、数は少なくなりながらも健在。5月末にはあんなに沢山あったスミレの姿はなくなってしまいましたが、ミヤマガマズミ、ユキザサ、チゴユリ、マイヅルソウが白い花を咲かせていました。トウゴクミツバツツジとシラネアオイもまだ残っていて楽しませくれました。
三国峠から5分ほど上ったところのビューポイントは群馬側が良く見え、三国山方向でカモシカも見られました。三国峠では林泉さんから三国峠を越えた人々とそれにまつわる歴史を教えていただきました。
概ね予定通りに下山して、はしばに戻って峠の酒まんじゅうでお茶をしながら、モニターの方々から感想などを伺いました。
お二人は、82歳と75歳の方で大変お元気!、山に慣れていらっしゃる「玄人」な方々でした。様々な街道や山道を歩かれている視点から、旧三国街道の魅力を教えていただき、大変貴重な意見交換となりました。
↑トウゴクミツバツツジ
↑ミヤマガマズミ
↑三国峠のView Point
↑大合唱のエゾハルゼミ
↑民宿はしばのおにぎり
↑林泉さんの歴史解説
内容:
13:30-13:45
・ 町長及びプロジェクト各セクター挨拶
・本日の概要説明
13:45-15:15
・茂倉沢治山事業現場視察
・小出俣自然林復元試験地視察
・活動内容紹介及び意見交換*浜屋旅館内
プロジェクト概要説明(総合事務局)
地域協議会・報告(5-10分)
関東森林管理局・報告(5-10分)
NACS-J・報告(5-10分)
<第2部:懇談会>
18:00-20:00頃 川古温泉浜屋旅館(会費制)
地域協議会の長浜です。
旧三国街道(三国路自然歩道)でガイドツアーを行いました。
コースは旧三国街道の群馬県側の三坂線から入山し、あずま屋、長岡藩士の墓、三国峠を経由して新潟側の三国トンネルへ下山しました。
心配していた台風の影響ですが、登山道にはブナやミズナラの枝や葉が敷き詰められるように落ちていました。ブナの実の落下も多く見られました。2箇所ほど道をふさぐ倒木もありましたが、通行には問題ありませんでした。雨後のためかヤマビルも見られました。
今後、9月15日、21日、24日にガイドツアーの予定があります。http://www.nacsj.or.jp/akaya/akf_realnaturecamp.html
森の恵みとつながりをぜひ体験してみてください!
ついに!スギ人工林を自然林に復元するための大規模な伐採実験が8月16日から始まりました。
デカイでしょ。機械の大きさからもその規模の大きさがよくわかります。
20m×220mの伐採実験区(8/30 藤代さん撮影)
40m×220mの伐採区の様子(8/30 藤代さん撮影)。
伐採作業の様子(8/22)。
伐採前のスギ人工林の様子(7/17日 自然林復元100年調査会の様子)
この場所は伐採前には、一面のスギ人工林でしたが、生物多様性復元のために、スギを伐採し、植栽に頼らず、自然の回復力を生かした自然林復元を赤谷プロジェクトでは進めています。
ここは、本来はブナやミズナラが優占し、ツキノワグマなどの多様な生き物たちが暮らす豊かな森だっと考えられ、このような自然生態系に戻すことを目標としています。
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/akaya/2011/04/5-2.html
実際にこの試験地内の自然林には、ツキノワグマが出現していることがセンサーカメラ調査でわかっています(人工林内には出現しませんでした)。
しかし、自然の回復力を生かして人工林を自然林に復元すると言っても、日本ではそのための方法は確立していません。
そこで、プロジェクトでは、実験を行いながら、自然林復元の方法を作り、日本全国で自然林復元へその手法を提供することを目指しています。
今までの知見から、人工林を自然林に復元する際に、大きな障害になるのは、光条件と種子供給源となる自然林(母樹)までの距離だと考えられています。
今回の実験では、これら2つの要因がどの程度自然林復元に影響するのかを調べています。
また、植物だけでなく、ほ乳類、鳥類、昆虫を指標にして、伐採後に生態系がどのように復元されるのかを、伐採前、伐採後に追跡調査を行う予定です。
伐採前の事前調査では、スギ人工林と比較して、自然林にのみ出現する種として、ほ乳類ではツキノワグマ、鳥類ではオオルリ、キビタキなどのフライ キャッチャー型や、アカゲラなどのキツツキ類などがわかっています。また、ブナやミズナラの実生(稚樹)は、自然林のすぐ近くに偏って出現していることが わかっています。
試験地内(自然林)のセンサーカメラに写ったツキノワグマ(6/15)
この調査は、専門家が中心になって行っていますが、赤谷サポーターやボランティア、学生さんと共に進めています。今まで、全部で100人以上の人に参加してもらったと思います。皆さん、本当にお疲れさまでした。これからも、この森の100年後の姿を、多くの方々と見守っていきます。
7/16日 自然林復元100年調査会に参加したボランティアの方々
自然林復元100年モニタリング調査会 も見てみて下さい。
伐採後に、どのくらいの時間で、本来あったブナやミズナラの自然林に戻っていくのか?楽しみにしていて下さい。
自然林復元試験地 実験区配置図