2024.12.04(2024.12.04 更新)
【連載】遺贈寄付を知ろう「第22回:いらない不動産を“負”動産のままにしない、新たな相続のカタチをめざして連携協定を締結」
読み物
専門度:
フィールド:活動支援寄付
NACS-Jではここ数年、遺贈寄付に関するご相談が寄せられることが多くなってきました。まだ元気なうちに人生のエンディングの準備を進め、遺産の活かし方をご自身で決める方が増えているようです。
遺贈寄付とは、人生の最後に財産が残った時に、その一部を公益団体などへ寄付をすること。自分の想いを未来に託し、自身亡き後に財産を社会に有効に活かす方法の一つとして、注目が高まっています。ご相談事例や最新動向などから、お悩みや不安の解決につながるヒントをご紹介します。
【連載】遺贈寄付を知ろう ~ あなたの想いと自然を未来につなげるために
第22回: いらない不動産を“負”動産のままにしない、新たな相続のカタチをめざして連携協定を締結
不動産を相続したが、「こんな“負”動産ならいらなかった」「今からでも誰かに引き取ってもらえないか」とお悩みの方が、年を追うごとに増加していると聞きます。
“負”動産を抱える所有者は、定期的な手入れなどの労力的負担だけでなく、固定資産税・管理費の支払いや老朽化に伴う修繕費用など、継続的な経済的負担に直面します。
これらの費用は、特に相続で不動産を受け取った家族にとって、予期せぬ重荷となることがあります。
また、適切に管理されない空き家や放置された土地は、地域の安全性や美観を損ない、周辺の不動産価値を低下させる要因となります。
また、有効活用されない土地は、地域の発展や都市計画の障害となり、ひいては地域経済の停滞につながる可能性があります。
こうしたお悩みの増加は今や大きな社会問題となっており、相続した土地の管理負担の軽減をめざして、2023年4月に相続土地国庫帰属制度が創設されました。
「相続してもうれしくない土地」問題の解決になるかもしれないと、この制度への期待が高まっていますが、法務省の統計によると(2024年10月31日現在)、国に引き取りを求めた申請総数は2,850件、そのうち国が引き取ることを決めた土地は973件と、承認要件のハードルはまだまだ高いようです。
当会でも、“負”動産のご寄付に関するお問合せをしばしばお受けしますが、売却金から活動資金が生み出せない不動産のみのご寄付は、お受け入れが難しいのが現状です。
そうした中、“負”動産を価値ある不動産に転換することで、所有者や相続人の負担を軽減するとともに、日本社会を支える非営利団体などへ資金を循環させようと、「相続・不動産サポートセンター」というNPO法人が今年8月に設立されました。
このセンターでは、“負”動産のみの有償引き取りだけでなく、センターが包括遺贈の受遺者となって“負”動産を含む全財産を遺贈寄付として受け取り、それらを現金化した上で非営利団体などに寄付をする取り組みを始めており、さっそくご相談案件がいくつも寄せられているそうです。
日本自然保護協会はこうした取り組みに賛同し、このたび相続・不動産サポートセンター様と連携協定を結びました。
同センターでは無料相談に応じていますので、“負”動産の活かし方にお悩みの方は、当会遺贈・遺産寄付担当、もしくは同センターwebサイトのご相談窓口まで、どうぞお気軽にお問合せください。
遺贈寄付や相続財産からのご寄付は、法務・税務・終活等の専門家と連携し、丁寧かつ慎重にご相談を重ね、最適な形で実現するためのサポートを行っています。どうぞお気軽にご相談ください。
お問合せは以下のEメールまたはTELまで。ご案内資料の送付を希望される場合は、ご住所とお名前をお知らせください。
公益財団法人日本自然保護協会(NACS-J) 遺贈・遺産寄付担当(芝小路、鶴田)
E-mail memory@nacsj.or.jp/TEL 03-3553-4101(代表受付、平日10:00~17:00)
コラム「遺贈寄付を知ろう」 連載目次ページ
https://www.nacsj.or.jp/news/2023/10/37315/