2024.10.28(2024.10.31 更新)
すべてのこどもに自然を!プロジェクト 〜子どもたちにくまなく自然体験を届けたい〜
報告
専門度:
保育園の保育時間中に自然観察指導員が自然観察会を実施している様子
テーマ:環境教育子育て
NACS-Jは家庭の境遇によらず「すべてのこども」に豊かな自然の原体験を届けることを目指すプロジェクトを展開しています。テキスト作成や自然観察指導員と保育園とのマッチング、企業と連携した活動など、現在進めている取り組みについてご紹介します。
家庭の収入による子どもの自然体験格差が存在しています。また、ひとり親家庭からは自然体験をさせたくても余裕がないといった声が聞かれます。
一方で、自然体験は子どもの心身を育むことが分かっています。また持続可能な社会を創る自然観の形成や、体感的な自然の理解のためにも幼少期の豊かな自然の原体験は大事です。そこで、自然体験が特に届いていない子どもについて、2つの視点から活動を進めています。
多様な家庭の乳幼児に届ける
乳幼児期は心身の成長がめざましく、価値観形成の時期でもあり、特に豊かな原体験が必要ですが、参加できる自然観察会が全国的に不足しています。そこで、多様な家庭の乳幼児に、日常的な自然観察を届けるため、保育園などとの連携を進めています。
これまでに、保育園内で自然観察指導員による自然観察会のモデル実施や、保育関係者を対象とした研修を実施。今年度は乳幼児との自然観察に関するテキストを発行しました。これからは、保育園と自然観察指導員の全国的なマッチングに取り組みます。保育園と活動いただける指導員チームを募り、全国の保育園とつながりを作っていきます。
多様な家庭の小学生に届ける
乳幼児に比べると、小学生対象の自然観察会の場は存在するものの、さまざまな理由で参加しにくい家庭があります。そこで、企業や他団体、自然観察指導員と連携し、境遇によらず誰でも参加しやすい自然体験プログラムも実施しています。
企業の製品や事業活動、そして地域の特性を活かし、普段はなかなか体験できないユニークなプログラムを構築。従業員や地域の自然観察指導員が講師やスタッフとして参加するなど、一丸となって実施しています。多様なセクターが連携することで、ただの自然体験にとどまらない、質の高いキャリア教育や自然保護教育につなげることができています。
子どもたちの笑顔のため、自然を豊かなまま引き継いでいくため、今後も活動に力を入れていきます。ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします!
福島県内の母子を招待したネイチャースクールで休耕田を湿地に再生。はじめて泥や湿地の生きものに触れる子どももいた(連携先:株式会社日清製粉グループ本社)
海の自然体験は遠のきがちな体験の一つ。東京湾をクルーズしながら日本の海の豊かさや課題を学ぶ(連携先:株式会社ジール)
ICレコーダーを使った音の自然観察会に協力。この観察会では子どもたちのやり抜く力や協働力など非認知能力向上の評価も行われた(連携先:ソニーグループ、放課後NPOアフタースクール)
乳幼児との自然観察
テキスト『すべてのこどもに自然を!幼児教育・野外指導者のための乳幼児との自然観察AtoZ』。申し込み受付中!
https://www.nacsj.or.jp/2024/08/41485/
担当者から一言
自然のちから推進部
(企業と連携した活動を担当)
櫻井亜里沙
企業や自然観察指導員の皆様が持つ力と可能性は無限大です。一生ものの原体験を子どもたちへ届けるために、ぜひお力添えください!
保護・教育部
(乳幼児向け活動を担当)
小林今日子
自然体験はその内容が大事。持続可能な社会につながり、体感型の自然観察を子どもに届けるには自然観察指導員の皆様が頼みの綱です!