2023.12.25(2023.12.27 更新)
2023年秋、奄美・沖縄のサンゴの状況
調査報告
専門度:
台風によりサンゴがひっくり返り、白化している。(撮影地:奄美大島の管鈍)
テーマ:海の保全生息環境保全モニタリング絶滅危惧種
フィールド:海
2023年9月18~20日、奄美大島の大島海峡の代表的な地点7カ所で、台風6号による被害とサンゴの白化状況を調べるため、瀬戸内観光協会の方々と潜水調査を行いました。
一部の場所にてサンゴ類の白化が見られたものの、総じて大島海峡のサンゴ礁は高水温や台風による大きな被害は受けていませんでした。健康なサンゴ類が多いので、少しの被害は回復可能な範囲内だと考えられます。
10月8日には、沖縄島大浦湾の調査をしました。沖の瀬のアオサンゴ群集は健全度の高い状態を保っていました。3月にサンゴを覆い殺すカイメンの一種・テルピオスの繁茂を記録した場所では、テルピオスは以前よりは減ったようです。
一方で水質が悪化しサンゴが弱ったときに出てくると思われるシアノバクテリアは同海域一帯の浅場から深場まで分布していました。また、チリビシの浅瀬では一部のミドリイシ類が台風の影響を大きく受けて壊滅的な状況でした。この調査で大浦湾のどの場所も海の健康度という意味では以前よりも落ちていることが分かりました。
担当者から一言
リポーター
保護・教育部 安部 真理子
サンゴには多くの脅威が忍び寄っています。美しい場所は多く残り生物多様性も豊かですが、楽観はできません。