2023.12.21(2024.01.04 更新)
ネイチャーポジティブ実現をより広く社会に届けるため「生物多様性プラン」のロゴが発表されました
解説
専門度:
テーマ:生物多様性条約国際
フィールド:国際
2023年12月19日、昆明・モントリオール生物多様性世界枠組み(GBF)が合意されてから1年目を迎えました。
「昆明-モントリオール生物多様性世界枠組み」が採択!(2022年12月19日)
現地時間2022年12月18日28時頃、4年かかって協議した「ポスト2020生物多様性世界枠組み(GBF)」が「昆明-モントリオール生物多様性世界枠組み」という愛称と共に採択されました…read more.
合意から1年、この間、世界目標の交渉に関わった国連国際機関、NGO、ビジネス、金融は、この目標達成のための様々な取り組みを打ち出しました。
日本自然保護協会が2023年5月にリリースした「日本版ネイチャーポジティブアプローチ」もこの一環になります。
来る2024年は、リーダーが打ち出したネイチャーポジティブ実現に向けた一歩をより広く社会に届けていくフェーズになります。
そこで、今回、生物多様性条約事務局では、GBFの啓発キャンペーンの第1フェーズを「生物多様性プラン:地球上の生命のために」と題し、あらゆる社会向けのコミュニケーションツールとして、ロゴと、各23の世界行動目標を短く表現しました(参照:生物多様性条約ウェブサイト(英語))。クリエイティブには、SDGsのロゴを製作されたニュービジョンが協力しています。
ロゴのモチーフは「ボロノイ図」という、幾何学模様であり、かつ、自然界にも表れるパターンを活用しています。23の世界行動目標の一つ一つの重要性と相互の関りを表現しており、「ロゴは、地球上のすべての生命とのつながり、そして私たちを取り巻く複雑な美しさを象徴しています」と説明されています。
毎週定例開催をしている生物多様性条約国際広報戦略会議(Biodiversity Flotilla Call)での報告によるとこのロゴは、2023年10月に開催された第25回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA25)の間も、色の吟味、メッセージの作り方など、国際機関の広報専門家や先住民地域共同体、ユースなどから、侃々諤々の意見が交わされて、やっと出来上がったものだそうです。
ロゴは、GBFを紹介する際には自由に活用可能です(参照:生物多様性条約生物多様性プラン・ブランディング)。現在、国際自然保護連合(IUCN)のコミュニティ内でも、活用を進める手立てを検討中です。
ロゴをはじめ、これらのコミュニケーションツールを活用して、今後さらにネイチャーポジティブの重要性を広く普及していきましょう。
(日本自然保護協会 国際担当/IUCN日本委員会事務局長 道家 哲平)