2023.12.22(2023.12.21 更新)
<日本自然保護大賞2023>選考委員特別賞「呑川の会」の授賞セレモニーを開催しました
イベント報告
専門度:
テーマ:自然観察ツール子育て川の保全環境教育
フィールド:川
こんにちは、自然のちから推進部の後藤です。
全国各地の受賞団体を訪問して開催している今年の日本自然保護大賞授賞セレモニー。12月9日、選考委員特別賞を受賞した、東京都大田区の「呑川(のみがわ)の会」の授賞セレモニーを開催しました。岩手県、岐阜県、北海道、福岡県での授賞セレモニーを経て、日本自然保護大賞2023、大トリのセレモニーでした。
前日まで雨模様の東京でしたが、当日は雲一つない晴れとなりました。空気も澄み渡った中、まず会場に着くと、呑川の会の皆さまがフィールドである呑川をご案内くださいました。
セレモニー会場のすぐそばには池上本門寺という立派なお寺があります。ここは日蓮聖人が入滅された霊跡とのこと。呑川も、信仰とともに古くから地元の方々にとって大切な川だったようです。
呑川は、三面コンクリート護岸の川でスタッフ一同びっくり。一見すると「自然」とは縁遠い都市河川ですが、呑川の会の皆さまは、この場所をフィールドにして1997年から25年以上、自然環境豊かな流域づくりを目指して活動をされてきました。
ボラの稚魚や、カワセミ、トンボの産卵など、季節ごとにさまざまな生きものが観察できることもご説明いただきました。
呑川の会の皆さまは、流域の主要な場所にこのような掲示板を設置し、地域の季節ごとの自然観察の話題を紹介。地域の人たちや訪れる人たちへの普及啓発に努めていらっしゃいます。この掲示板も、会のメンバーの方と地域の方が協力して作成されたそうです。
そして、なんと、掲示板にはしっかりと「日本自然保護大賞’23 特別賞」の文字が彫られていました!本当におめでとうございます。
川沿いには「ノミガワスタジオ」というオシャレなブックスタジオも。
ノミガワスタジオを運営されている方も呑川の会の一員で、このスタジオを拠点に、毎月、呑川をテーマにした様々な発信をされているとのことです。
毎年5月には、「呑川鯉のぼり大会」という盛大なイベントを開かれています。近隣の小学校と連携し、小学生たちが自分たちで鯉のぼりを作り、川一面を飾るのだそう。このイベントを通じて、小学生はもちろん、ご家族の方々も川に目を向けるきっかけになっているとのことでした。
視察の際には、呑川の会の皆さまから、幼少期の頃、コンクリート護岸になる前の呑川の姿や、川で遊んだ思い出なども教えていただきました。
その後、会場に戻り、いよいよセレモニーの開催です。セレモニーには、大田区前区長をはじめ、東京都水道局や近隣の小学校からなど、ご来賓の方々もたくさんご参列くださり、地域に根差し、地元の方々と綿密に連携されている活動ということが伺えました。
セレモニーの中でお話しいただいた活動紹介では、会の成り立ちや今に至るまでの経緯、今後次世代へつなげていきたいという抱負とともにたくさんのお話いただきました。
一見すると「こんな場所で自然保護?」と感じる三面護岸の都市河川ですが、呑川の会の皆さまが脈々と続けてこられた活動を通じて数多くの地域の子どもたちにこの故郷の川の自然の豊かさや重要性を伝えてきたことに思いを馳せて、この活動の大きさを改めて実感しました。
さらにセレモニーでは、地域の皆さんに愛され、そして次世代に着々と活動が継承される様子が伝わってきて、この活動がこれからも未来につながっていくことが感じられました。
ご参加いただいた皆さま、心よりありがとうございました。
今後の活動も応援しております!
【特設サイト】日本自然保護大賞2023 受賞者 活動紹介/講評