2023.12.19(2023.12.21 更新)
<日本自然保護大賞2023> 岐阜県立岐阜高等学校 自然科学部生物班への授賞セレモニーを開催しました
イベント報告
専門度:
テーマ:絶滅危惧種里山の保全環境教育生息環境保全外来種
フィールド:川辺谷川
こんにちは、自然のちから推進部のキムです。
全国各地の受賞団体を訪問して開催している今年の日本自然保護大賞授賞セレモニー。清々しい秋晴れに恵まれた10月30日、日本自然保護大賞の子ども・学生部門を受賞された岐阜県立岐阜高等学校自然科学部生物班(以下、生物班)のみなさんを訪問しました。
今回の受賞セレモニーには、選考委員のIUCN 親善大使でシンガーソングライターであるイルカさんと日本自然保護協会の土屋俊幸理事も参加しておこないました。
セレモニーの前に、自然科学部の部室にお邪魔しました。部員の皆さんが部室で飼育しているヤマトサンショウウオやヒダサンショウウオ、その他にもニホンイシガメやアオダイショウなど、さまざまな生きものを紹介してくださいました。
ヤマトサンショウウオの保全活動では、生息地で外来種のアメリカザリガニなどに捕食されるなどの課題があるので、幼生期の死亡率を下げるために、卵嚢を持ち帰って孵化させ、上陸直前に放流しているそうで、放流までの期間は幼生が入った水槽が棚一面に積み上がるほどとのこと。
17年前の活動開始時に比べて繁殖期に発見された成体の個体数が45倍に増加したという成果は、飼育期間中の地道な世話や生息地の整備などの積み重ねによるものと実感できました。
ヒダサンショウウオに餌をあげる様子を観察しました。
アオダイショウの幼体を恐る恐る観察する、
NACS-J大使かえるのピクルス
いよいよセレモニーの時間が近づいてきたので、みんなで会場へと移動。
生物班の活動発表は1年生のみなさんが担当しました。セレモニー前はやや緊張した様子も伺えましたが、上級生や多くの取材カメラが見守る中、本番は自信を持ってばっちりと発表されていました。この日のために、顧問の太田晶子先生とともに、何週間も放課後練習を重ねてきたとのことでした。
選考委員である土屋俊幸専務理事も、しっかりした発表を賞賛。
17年という長い年月、研究活動を続けてきた生物班のみなさん。生き物好きの情熱と研究テーマや手法は、上級生から下級生へと脈々と受け継がれ、発展してきました。今回自分たちの研究成果を示す晴れ舞台を、1年生に任せることにした上級生たち。発表を見守る誇らしい視線が印象的でした。
研究や保全活動そのものも重要ですが、「研究をわかりやすく説明する技術」の大切さも、1年生へとしっかりと伝わったことでしょう。生物班の新しい世代へと意志を受け継ぐ力が、垣間見えたセレモニーとなりました。
【特設サイト】日本自然保護大賞2023 受賞者 活動紹介/講評