2023.08.28(2023.08.29 更新)
沖縄県恩納村でサンゴ礁保全研修を行いました
報告
専門度:
作った苗を中間育成棚に植え付ける。
テーマ:海の保全生息環境保全人材育成
フィールド:沖縄海
今年4月、「恩納村サンゴ礁保全研修」をパタゴニアと共催で実施しました。鹿児島県奄美大島から、地元のサンゴ礁を守るため恩納村の取り組みを学ぼうと9名の方が参加しました。
1日目は、山城正巳さん(恩納村漁協、沖縄サンゴ保全協議会)と名城一幸さん(恩納村観光協会事務局長)からの座学。1998年の白化現象で失われた恩納村のサンゴを20年かけ「サンゴ養殖」によって復活させたこと、経済的に自立した観光協会を目指しての取り組みなどをお話いただきました。
2日目の午前中は恩納村山田のサンゴ養殖場を潜水などで視察しました。通常行われている移植(植え付け、放流)では、サンゴの生残率が低く、コストに見合わないケースが多いのですが、恩納村方式(ひび建て式)のサンゴ養殖は、サンゴの生残率が高く、画期的な方法です。
サンゴの養殖が、陸での保全活動にも波及
午後は恩納村でサンゴの保全活動をしているさまざまな立場の方にお話しいただきました。沖縄サンゴ保全協会の當山真由美さんは、地域住民と一緒にアニメや絵本、カルタの制作することで、サンゴ保全の普及啓発を進めたそうです。制作に参加したメンバーからは、制作を通して海の問題を自分事として捉えるようになったというお話を伺いました。
農業環境コーディネーターの桐野龍さんは、赤土防止対策の活動を紹介。ベチパー(イネ科植物)を海岸沿いに植える活動や、花を植えて来訪するハチからのハチミツを販売するハニーコーラルプロジェクトなどについてお話いただきました。
このように、恩納村では「サンゴ礁保全」というビジョンを多様な立場の人々が共有し、経済的にも還元される仕組みを、長い時間をかけて構築しています。
奄美大島からの研修生、恩納村の方々とスタッフ。サンゴ養殖場の視察へ。
担当者から一言
リポーター
保護・教育部 安部真理子
奄美大島からの研修生にも参考になったようです。奄美大島での活動に反映されることを期待しています。