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Home 主な活動 スタッフブログ 【連載】遺贈寄付を知ろう「第6回:想いを叶える遺贈寄付となる遺言のコツ(後編)」

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2023.08.16(2023.11.06 更新)

【連載】遺贈寄付を知ろう「第6回:想いを叶える遺贈寄付となる遺言のコツ(後編)」

解説

専門度:専門度1

遺贈寄付を知ろう〜あなたの想いと自然を未来につなげるために

フィールド:活動支援寄付

NACS-Jではここ数年、遺贈寄付に関するご相談が寄せられることが多くなってきました。まだ元気なうちに人生のエンディングの準備を進め、遺産の活かし方をご自身で決める方が増えているようです。

遺贈寄付とは、人生の最後に財産が残った時に、その一部を公益団体などへ寄付をすること。自分の想いを未来に託し、自身亡き後に財産を社会に有効に活かす方法の一つとして、注目が高まっています。

そこで、NACS-Jの遺贈寄付アドバイザーで遺贈寄附推進機構(株)代表取締役の齋藤弘道さんに、遺贈寄付の基礎知識や今すぐ役立つ準備の進め方のポイントをお聞きしました。


【連載】遺贈寄付を知ろう ~ あなたの想いと自然を未来につなげるために

第6回:想いを叶える遺贈寄付となる遺言のコツ(後編)

Q.遺言の執行者は誰にお願いするのがよいでしょうか。

A. 遺贈寄付を確実に実行するためには、遺言執行者の存在が欠かせません。もし遺贈寄付に不満を持つ相続人がいても、その圧力に屈しないで執行を完遂することが遺言執行者の使命です。そのためには法律の知識や手続きの経験が必要ですので、遺言執行者はプロに任せるのがよいでしょう。

弁護士・司法書士・行政書士は法律や遺言文書作成の専門家、税理士は税務の専門家、信託銀行は遺言信託の専門家など、プロにもさまざまあります。また、そうした専門家の間をワンストップ型でつなぐ支援会社やNPOもあります。遺言執行者は、法律の知識を必要としますので、法律の専門家または信託銀行に依頼するのがよいと思います。遺言執行者の選定は、遺言執行報酬の多寡も判断材料ですが、遺言に付帯する見守り契約、任意後見契約、死後事務委任契約などが必要に応じて選べるかもポイントになります。

私が知る限りでは、遺言作成の相談を受けた専門家がそのまま遺言執行者となるケースが多いように思います。相談を受けた専門家は、相続人の状況や財産内容をよく把握していますし、何より遺言者の想いや背景を知っています。想定外のことが起ころうと、遺言者の遺志を叶えようと尽力してくれるはずです。「この人に遺言執行も任せることになる」と思いながら、遺言の相談をされるとよいでしょう。

稀に、遺言執行者が指定されていない遺言や、寄付先団体を遺言執行者に指定した遺言を見かけることがありますが、スムーズな遺言執行の妨げになるので、十分注意しましょう。

Q.少ない金額で遺贈寄付するのをためらう方もおられるのですが。

A. 遺言で遺贈寄付を実行するには、遺言書の保管場所を確保したり、遺言執行者を見つけたりと、いくつか準備が必要になります。手間がかかると、つい及び腰になってしまうかもしれませんね。なので、遺贈寄付のためというより、ご自身の終活のために遺言の準備を始めてみてはいかがでしょうか。

現在の資産状況を把握し、ご家族にはどれだけ資産を残したいのか、お墓や葬儀などの費用はいくら必要で誰が負担するのかなどを整理してみましょう。もし、死後に発生する相続手続き以外の事務処理を頼める身内が近くにいなければ、専門家と死後事務委任契約を結んでおく必要もあります。その上で遺言書の作成が必要になったら、ついでに残った財産から少しだけ遺贈寄付することを書き足しておく、くらいに考えると無理なく進められるではないでしょうか。

Q.遺言書を作成するほかに、エンディングノートも書いた方がよいでしょうか。

A. いきなり遺言書を作ろうとしても、ご自身の考えが整理されていないとうまくいかないものです。エンディングノートは、遺言書を作る下準備と考えてみてください。ただ、市販のエンディングノートは大勢の人が利用することを想定しているため、最大公約数的な内容になりがちで、少々書きづらいかもしれません。ご自身の事情に合わせて、記入項目をアレンジして使われることをおすすめします。遺贈寄附推進機構でも、「ご縁ディングノート®」をご用意しています。

ご縁ディングノートの画像

たとえば、自分が死んだ後のペットのゆく末が心配な方であれば、いざという時の引き取り手や病歴、好きな食べ物、散歩コースなども記載しておくとよいでしょう。楽器の演奏が趣味な方なら、愛用していた楽器の売却の意向や寄贈先などを書いておくとよいと思います。また、死後のことばかりではなく、認知症など意思能力がなくなった際の医療や介護の受け方などの意思表示にも活用できます。

財産関係の情報は、エンディングノートに加え、大事な書類をまとめた「終活ファイル」を作っておくのがおすすめです。保険の証書や不動産の権利証、葬儀社との契約書などを一カ所にまとめておけば、ご家族が相続手続きをする際に大いに助かるでしょう。

Q.もし遺言書を作成した後に気持ちが変わったら、どうすればよいでしょうか。

A. じっくり考えて決めたつもりでも、お気持ちの変化や諸事情により、遺言の書き替えや撤回が必要になることもあります。その際に気をつけたいのは、書き換えや撤回をするのなら「全部書き替える」「全部撤回する」ほうが円滑な遺言執行が期待できるということです。一部の書き替えや一部の撤回もできますが、残った部分は有効です。これが、新たな遺言や遺産分割協議との間で、効力の範囲や意思解釈を巡って問題が起こることがあります。遺言の書き替えや撤回を行う際は、専門家に相談することをおすすめします。

NACS-Jの自然保護活動のすべてが、多くの方からのご寄付に支えられています。法務・税務・終活等の専門家と連携し、丁寧かつ慎重にご相談を重ね、遺贈・遺産寄付を最適な形で実現するためのサポートを行っています。
ご相談やお問合せは、どうぞお気軽に以下のEメールまたはTELまで。ご案内資料の送付を希望される場合は、ご住所とお名前をお知らせください。

公益財団法人日本自然保護協会(NACS-J) 遺贈・遺産寄付担当(芝小路、鶴田)
E-mail memory@nacsj.or.jp/TEL 03-3553-4101(代表受付、平日10:00~17:00)

遺贈・遺産寄付についてくわしくは・・・

【回答者プロフィール】

遺贈寄附推進機構(株)代表取締役一般社団法人全国レガシーギフト協会理事 齋藤 弘道(さいとう ひろみち)
信託銀行勤務時代に1500件超の相続相談や10,000件以上の遺言受託審査に対応。2014年に弁護士・税理士らとともに、遺贈寄付希望者の意思が実現されない課題を解決するための勉強会を立ち上げた(現:全国レガシーギフト協会)。2018年に遺贈寄附推進機構株式会社を設立。多ジャンルのNGOに、遺贈寄付推進の助言指導を行っている。

コラム「遺贈寄付を知ろう」 連載目次ページ

https://www.nacsj.or.jp/news/2023/10/37315/

あなたの想いを日本の自然のために遺す、遺贈・遺産・生前のご寄付のご案内

https://www.nacsj.or.jp/support/bequest/

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