2023.06.21(2024.03.13 更新)
【終了しました】「生物多様性」と「食料・農業・農村基本法」の意見交換会 ~持続可能な農業の実現のため 基本法に「自然環境保全」を!~
イベント告知
専門度:
テーマ:里山の保全農業生物多様性地域戦略
フィールド:農地農業政策里山
「生物多様性」と「食料・農業・農村基本法」の意見交換会
持続可能な農業の実現のため、基本法に「自然環境保全」を!
2024年春に法改正予定の「食料・農業・農村基本法」について意見交換会(オンライン)を2023年7月18日(火)に開催します。
持続可能な農業への転換に向け、農地の生物多様性保全、多面的機能の発揮の視点から基本法について解説し、農水省担当者、NGOとの意見交換も開催します。ぜひご参加ください。
現在、“農政の憲法”といわれる「食料・農業・農村基本法」(以下「基本法」)の見直し・改訂作業が進み、5/29に農水省第3者委員会から「中間取りまとめ※1」が公表されました。今後、意見募集(7/22〆切)※2を行ったのち、今秋に最終取りまとめが公表され、2024年春に国会に改正案が提出される予定です。
この「中間取りまとめ」の注目のひとつが、「食料安全保障」。その対策として、輸入に依存する食料・化学肥料等の備蓄・輸入先の確保等が挙げられています。しかし、根本的な課題解決のためにも、農業の基盤を支える生物多様性(例えば、花粉を媒介する昆虫、土壌を作る生物や、在来の天敵等がもたらす生態系サービス)を活かした持続可能な農業へ転換することが重要です。
現行の基本法において、生物多様性を含む自然環境保全・国土保全・水源涵養機能など、農地がもつ多面的機能は「適切かつ十分に発揮されなければならない」と定められています。しかし、すでに農地から多くの生き物が姿を消すなど、持続可能な農業の基盤となる生物多様性が低下している現状があります。
2022年には生物多様性の新たな国際目標として、「2030年までに、生物多様性の損失を止め、回復基調にしていく“ネイチャーポジティブ”の実現」が、生物多様性条約第15回締結国会議において決議されました。今こそ、自然環境保全を基軸にした、持続可能な農業(有機農業や環境保全型農業を含む)への転換が必要です。
今回、5月に発表された「中間取りまとめ」に対して、持続可能な農業の実現に向け、生物多様性・多面的機能の発揮の観点から基本法を解説し、各NGOの発表を行います。また、希望される方と、農水省担当者、環境NGO、参加者とともに、意見交換会を開催します。ぜひご参加ください!
※1 食料・農業・農村政策審議会 基本法検証部会 中間取りまとめ概要、中間取りまとめ
※2 食料・農業・農村基本法の検証・見直しに関する御意見募集(7/22〆切)
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo01/230622.html
↑生物多様性保全の視点から、基本法へ意見をご提出ください!
開催概要
お問い合わせ
公益財団法人日本自然保護協会 生物多様性保全部(藤田・福田)
03-3553-4101(受付時間:平日10時30分~15時) satoyama@nacsj.or.jp
プログラム ※変更の可能性もあります
趣旨説明 | 藤田 卓((公財)日本自然保護協会) |
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検証部会:中間取りまとめの紹介 | 農林水産省担当官 |
背景説明:生物多様性保全からみた基本法のあり方 | 西澤栄一郎(法政大学教授) |
中間取りまとめに対する環境NGO意見 | 金井 裕((特非)ラムサール・ネットワーク日本)、 田尻浩伸((公財)日本野鳥の会)、 久保 優((公財)世界自然保護基金ジャパン)、 藤田 卓((公財)日本自然保護協会)、 斎藤光明((特非)オリザネット) |
環境・有機農業20団体の共同提言〜有機農業は環境問題解決の一分野〜 | 徳江倫明((特非)全国有機農業推進協議会 理事) |
意見交換 | 閉会後、希望者のみ~21:00まで延長予定 |
関連情報
- 農業基本法に環境保全を!「農業基本法改正と多面的機能を考える集い」を開催しました(法政大学にて2023.1.21開催、当日資料および開催報告)
- 「食料・農業・農村基本計画」に自然環境保全の強化策の必要性を明記すべきと意見書提出(2019.12.2)
- 農地の環境保全等活動の交付金制度への提言書を提出しました(2022.4.15)
ご参考
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生物多様性と農業政策研究会 について
2018年11月より、欧米や国内の農業政策と生物多様性保全の事例研究をもとに、日本における生物多様性保全と農業環境政策のよりよいありかたを目指すことを目的として、公益財団法人日本自然保護協会、公益財団法人日本野鳥の会、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン、NPO法人ラムサール・ネットワーク日本、NPO法人オリザネットの5団体が中心に開催されている研究会。
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公益財団法人 日本自然保護協会について
自然保護と生物多様性保全を目的に、1951年に創立された日本で最も歴史のある自然保護団体のひとつ。ダム計画が進められていた尾瀬の自然保護を皮切りに、屋久島や小笠原、白神山地などでも活動を続けて世界自然遺産登録への礎を築き、今でも日本全国で壊れそうな自然を守るための様々な活動を続けています。「自然のちからで、明日をひらく。」という活動メッセージを掲げ、人と自然がともに生き、赤ちゃんから高齢者までが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会を目指して活動しているNGOです。山から海まで、日本全国で自然を調べ、守り、活かす活動を続けています。
http://www.nacsj.or.jp/ -
公益財団法人 日本野鳥の会について
1934年設立の日本最古にして最大の自然保護団体。「野鳥も人も地球のなかま」を合言葉に、野鳥や自然の素晴らしさを伝えながら、自然と人間とが共存する豊かな社会の実現をめざして活動を続けています。
独自の野鳥保護区を設置し、シマフクロウやタンチョウなどの絶滅危惧種の保護活動を行なうほか、野鳥や自然の楽しみ方や知識を普及するイベントや冊子の発行などを行なっています。会員・サポーター数は約5万人。野鳥や自然を大切に思う方ならどなたでも会員になれます。
https://www.wbsj.org/ -
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)について
WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年にスイスで設立されました。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、サステナブルな社会の実現を推し進めています。急激に失われつつある生物多様性の豊かさの回復と、地球温暖化防止のための脱炭素社会の実現に向けて、希少な野生生物の保全や、持続可能な生産と消費の促進を行なっています。
https://www.wwf.or.jp/ -
特定非営利活動法人ラムサール・ネットワーク日本について
ラムサール・ネットワーク日本は、日本各地の湿地にかかわるグループや個人から成り立っているネットワーク組織です。地域の草の根グループや世界のNGOと連携しながら、湿地保全の国際条約「ラムサール条約」に基づく考え方・方法により、すべての湿地の保全、再生、賢明な利用の実現に寄与することを目的として活動しています。当会の「田んぼの生物・文化多様性2030年プロジェクト」は、ラムサール条約と生物多様性条約に基づいた、湿地としての水田の生物多様性を求める「水田決議」と生物多様性世界目標の達成のため、田んぼの生きものを育む力を引き出し、それを主流化することを目指して、国内外でネットワークを拡げ、活動しています。
http://www.ramnet-j.org/ -
特定非営利活動法人オリザネットについて
農と自然を大切にして、人と生き物が共生でき、将来の世代も自然の恵みを享受できる持続可能な社会づくりに貢献することを理念とし、農林業地域と河川水辺の生物多様性の回復を目指し、調査、提言、普及活動などを行っています。2003年設立。