2023.04.26(2023.04.28 更新)
奄美大島で海底のサンゴや藻類を調査
調査報告
専門度:
ライン下で見られた泥の堆積。このような場所に大型藻類は生えない。
テーマ:生息環境創出生物多様性地域戦略海の保全
フィールド:海
奄美大島の海を調べるプロジェクトでは、2022年11月に北部2地点、南部1地点で海底の状況を知るために、ライントランセクトという方法で調査を行いました。
まず各地点の水深2m、8m、15mで(北部1地点は水深2m、8mのみ)20mラインを3本引き、ラインの上を泳ぎながらカメラで撮影。撮影した写真をもとに、ラインの下に写る底質または生物を、サンゴ、藻類(海草・海藻)、その他の生物などに分類し、それぞれの割合を算出しました(下表)。
平田・水深2mのライントランセクト調査結果
焼内湾平田の水深2mのラインでは、サンゴが52%、その他の生物(二枚貝類など)が0.6%でしたが、藻類は出現しませんでした。調査地の底質には粒径が小さく粘性を持つ泥の堆積が見られました(トップ画像)。
聞き取り調査の結果から、周辺の海は1970年代ごろまで海草・大型藻類とサンゴが共生する海だったことが分かっています。
豊かなサンゴ礁生態系は、藻場、ガレ場、砂礫地などがサンゴ礁とパッチ状に組み合わさっています。生態系回復に向けた原因究明と解決方法の模索を続けていきたいと思います。
担当者から一言
リポーター
生物多様性保全部 中野 恵
沖縄・奄美では旧暦3月3日に浜下りの行事があります。海に入り無事や幸せを祈る心も受け継いでいきたいです。
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