2023.04.26(2023.04.28 更新)
屋久島に新しい希少個体群保護林。区域は非公表
報告
専門度:
低地型照葉樹林(今回の保護林の場所ではありません)
テーマ:森林保全世界遺産
フィールド:自然林
屋久島には世界遺産地域がありますが、低地に断片的に残る自然林は含まれていませんでした。
屋久島照葉樹林ネットワーク(代表:手塚賢至)の呼びかけに応え、NACS-Jは2019年4月に環境省、林野庁、屋久島町に「屋久島の低地照葉樹林の保全を求める要望書」を提出しました。
その後、林野庁九州森林管理局の保護林管理委員会で検討が始まり、低地型照葉樹林の三地域について調査が行われ、生息する希少種が明らかになりました。
2023年2月、三地域は小面積ですが希少個体群保護林とされ、4月から「屋久島菌従属栄養植物等希少個体群保護林」という名称で設定されました。
今回、希少種の保護・盗掘防止などの観点から、区域情報を非公表とする新しい方法が採用されました。報告書なども譲渡禁止の取り扱い注意情報とされる特別な措置がとられました。
保全策と周辺の人工林施業による悪影響の回避のため、関係機関・地域団体との情報交換は定期的に行われます。保護林の新たな作り方として注目されます。
担当者から一言
リポーター
生物多様性保全部 朱宮丈晴
人が住んでいる周辺の自然を損ねない方法や新たな関係づくりを模索していきたいと思います。