2023.02.28(2023.09.20 更新)
奄美大島で専門家による海域調査を実施
調査報告
専門度:
写真:Porites ハマサンゴ属の一種を覆う紫色のカイメンの仲間 Chalinula nematifera
テーマ:生物多様性地域戦略モニタリング伝統文化海の保全
フィールド:海モニタリング調査
2021年度から活動を行っている奄美大島の海を調べるプロジェクト。2022年11月には、笠利湾と焼内湾で専門家による海域調査を実施しました。調査は琉球大学と立正大学によるサンゴ礁域を対象とした生物多様性調査と合同で行い、環境DNA調査のためのサンプリングと合わせて、潜水調査を実施しました。
笠利湾の水深5~8mでは、2021年度の調査で存在が報告されたサンゴを死滅させるカイメンの仲間が、塊状のサンゴを中心に、サンゴ群体の表面を覆う様子が複数確認されました(写真)。今後、このカイメンの広がりを注視する必要があり、モニタリング方法などの議論を進めています。
一方、焼内湾の調査では、湾奥部の泥場で、湾口部とは異なる内湾型の特異な生態系が確認されました。サンゴ礁の被度が高い外洋に面した地点と比較し、内湾の生態系は、ほとんど知られていません。未記載種の発見につながる可能性もあり、引き続き調査を行う予定です。今回の海域調査の結果は、分析が完了次第、改めてご報告します。
担当者から一言
リポーター生物多様性保全部 中野 恵
シマの海ごとに個性があって興味は尽きません。人と海とのつながり方も個性的。大切にしていきたいと思います。