2022.12.09(2023.01.10 更新)
【ダイジェスト報告】さかなクンが語る「すギョい」⼤島海峡
イベント報告
専門度:
テーマ:絶滅危惧種獣害問題伝統文化海の保全生息環境保全
フィールド:海
2022年11⽉19⽇(⼟)、奄美⼤島瀬⼾内町にて、シンポジウム「さかなクンと学ぼう!⼤島海峡のサンゴ礁と不思議な生きもの達」が開催されました。当⽇は、200⼈の満員近くの⽅々が来場されました。たくさんのご参加をありがとうございました。
シンポジウムの内容をつまみ食い!簡単ダイジェスト
シンポジウムは、瀬⼾内町副町長奥田耕三さんのご挨拶に続き、アマミホシゾラフグの不思議な生態について、下関市立しものせき水族館の園⼭貴之さんよりご発表いただきました。海の底でミステリーサークルを作るという、なんとも不思議な特徴が話題のアマミホシゾラフグですが、実は繁殖期以外の生態は未解明です。通常は水深の深いところに生息しているのですが、なぜか奄美大島では、ダイビングで観察できる水深に生息しています。奄美⼤島は、謎の多いアマミホシゾラフグの生態の解明·保全活動が⾏える、世界で唯⼀の場所といえます。
マリンステイション奄美撮影
アマミホシゾラフグを
もっと知いたい⽅はコチラ
https://www.youtube.com/watch?v=ttxXil4sF4k&t=1s
続いて、東京⼤学大気海洋研究所 教授 横山祐典さんより、奄美⼤島のサンゴが秘める今と昔の情報について、お話いただきました。ハマサンゴを調べることによって、海水温や酸性化の変遷を知ることができます。横⼭教授の最新の研究では、サンゴの白化は海水温の上昇だけでなく、酸性化も影響している可能性を示唆しました。
サンゴ礁の健全性を明らかにする!リーフチェックの活動はコチラ
https://www.nacsj.or.jp/2022/03/29366/
https://www.nacsj.or.jp/2021/12/28538/
NACS-Jの安部真理子は、サンゴ礁の⽣物多様性や白化の仕組みについて話しました。サンゴ礁は海の約2%と、非常に狭い分布域を占めているにもかかわらず、海の生き物の約1/4が⽣息しています。しかしながら、40年後には日本沿岸のサンゴ礁はなくなってしまうという厳しい予想もあります。大島海峡のサンゴ礁を守るためには、まずは海の生き物に関心を持ち、海に足を運び、自分達ができることを考えることが大切であると伝えました。
サンゴの白化のメカニズムについて知りたい⽅はコチラ
https://www.nacsj.or.jp/2020/08/21200/
続いて、瀬戸内町海を守る会会長の祝隆之さんが、活動内容について詳しく話されました。水中のゴミ拾い活動やサンゴを守るための係留ブイの設置、島の子どもたちをスノーケリングツアーに連れて行くことで、海とその⽣き物に関心を持ってもらうことに注力しているとのことでした。あまり知られていませんが、奄美大島ではイルカと泳ぐことができるようになってきました。その様子も動画にて紹介されました。
瀬戸内町YouTubeクジラをみにいこう
https://www.youtube.com/watch?v=G2WuECBGDnU
そしてみなさんお待ちかね、さかなクンの登場です!今回は、奄美⼤島に生息するフグたちを紹介しました。アマミホシゾラフグ、モヨウフグ、ネズミフグ、ハリセンボン、ミナミハコフグ、コクテンフグ、シマキンチャクフグなど、数えきれないほどのフグたちの特徴を、それぞれ絵を使って説明してくれました。
そして、次は名物、さかなクンの絵の実演!ヒレナガカンパチ、タカサゴヒメジ、アマミホシゾラフグをボードで描き、おさかなクイズを出しました。
最後に、登壇者全員が再び舞台に登場し、質疑応答の時間をもちました。特に子どもたちからさかなクンへ多くの質問が寄せられました。質問してくれた子どもたちには、即席で描いたサイン入りの絵がプレゼントされました。
今回のシンポジウムは、瀬戸内町のみなさまが、⼤島海峡の「すギョい!」に触れ、世界に誇るべき地元の海に、より深い関心を持つきっかけとなったように感じました。
私たちはこれからも、奄美大島の自然を守る活動を地域のみなさんと共に展開していきます。世界の宝、大島海峡の豊かさを子どもたちに受け継いでいくために、温かいご支援をよろしくお願いいたします。