2022.10.31(2022.11.01 更新)
2022年秋・南西諸島のサンゴ白化の状況
調査報告
専門度:
▲名護市大浦湾チリビシのサンゴ群集。一部白化している。
テーマ:生息環境保全自然環境調査海の保全
フィールド:海
南西諸島のサンゴ礁の健康度は台風と大きな関係があります。台風は海水をかき混ぜ、水温を下げます。台風が南西諸島を通らず、水温が高くなると、共生している褐虫藻がサンゴの体内から外に出てしまい、透明なサンゴの白い骨格が透けて見える「白化」と呼ばれる状態になります。
今年、八重山諸島では早くからサンゴの白化が報じられ、8月下旬には奄美や沖縄島でも見られるようになりました。
NACS-Jは南西諸島に上陸した台風14号が過ぎた後、9月20日から沖縄島の大浦湾4カ所、恩納村1カ所、泡瀬干潟2カ所にて潜水調査を行いました。白化したサンゴが多く見られる場所もありましたが、台風14号により大半は死滅を避けられそうです。白化しても、褐虫藻がサンゴの体内に戻れば生きることができます。
サンゴが死滅する原因は水温だけではありません。陸域からのストレスを受けて弱っている場合が多いため、常日頃から陸域からの汚染をできる限り減らすことがサンゴの白化を食い止める力となります。
担当者から一言
リポーター
保護・教育部 安部真理子
サンゴを守るために、私たち一人一人ができることは洗剤などの水質汚染の原因となる物質を流さないことです。