2022.10.05(2022.10.05 更新)
どんぐりの季節!検索表を持ってでかけよう
観察ノウハウ
専門度:
テーマ:自然観察ツール子育て里山の保全環境教育
フィールド:街路樹公園里山森林
10月になり、お外に出るのも気持ちのよい季節となりましたね。
先日、公園で耳を澄ませると、「コツン・・・・・コツン・・・・」と音がしました。
▲落ちていたクヌギのどんぐり
まわりを見渡すと、どんぐりが木から落ちてくる音でした。
どんぐりは、身近でも街路樹や里山などで気軽に見つけることができるので、秋の自然観察の定番のテーマです。
日本自然保護協会(NACS-J)では、会員の皆さんに隔月でお届けしている会報「自然保護」の「今日からはじめる自然観察」コーナーで2013年に「どんぐり検索表」をご紹介しました。
【配布資料】今日からはじめる自然観察「これは何の木のどんぐり?」
この検索表は、毎年秋になると多くの方にご覧いただいています。
今回この検索表を参考に、私も近所でどんぐり探索にでかけてみました。
と、その前に・・・
本検索表で、毎年、多くの方に注目されるのが「よく見かける、どんぐりにくっついているアレは“パンツ”なの!?」問題。
正式な名称は、どんぐり本体を「堅果(けんか)」と呼び、パンツのことを「殻斗(かくと)」といいます。
そう、この殻斗は“帽子”ではなく“パンツ”なのです。
“パンツ”かどうかは、木になっている姿をみれば一目瞭然。
ほらね!(シラカシ)
こちらも!(コナラ)
ご納得いただけましたでしょうか。
(例外もありますし、帽子と呼ばれることもありますが、ここは“パンツ”ということで話を進めますね。)
▲下を向いているどんぐりも、あります(コナラ)
さて、本題に戻りどんぐり探索です。
どんぐりを見つけると、大人も楽しい気持ちになってきます(当協会しらべ)。
▲大きいどんぐりを見つけるとテンションがあがる!
今回、沢山のどんぐりが見つかりました。
▲探索でみつけたどんぐりたち
検索表では、パンツのデザインに沿ってどの種類か特定していきます。
特徴的な、トゲトゲパンツの仲間はこちら。
▲誰もが知っている、味まで知ってる「クリ」もどんぐりの仲間とされることがあります。
▲お洒落なパンツでおなじみ、クヌギはころんとした丸みと大きさも可愛いです。
続いて、チューリップパンツの皆さまです。
しかし、まだ季節が早かったのか、チューリップパンツとなるスダジイのどんぐりは見つけたものの、肝心のパンツは見つけられませんでした。
▲落ちていたスダジイのどんぐり。パンツはありませんでした。
昔撮った写真をご紹介すると、こんなかわいいパンツです。
▲スダジイのチューリップパンツ
「今日からはじめる自然観察『これは何の木のどんぐり?』」でも、どんぐりの落ちる順番についてよく観察してみようと書いてあります。
今は、まさにどんぐりの落ち始めの時期ですので、全部のどんぐりに出会うことができないかもしれません。
これからのシーズンを通して、どんな順番に落ちてくるだろう、とよく観察してみるのも楽しいと思います。ぜひじっくり観てみてください。
そして、続いてウロコパンツの仲間ですが、マテバシイとコナラを見つけることができました。
▲ゴロゴロと重量感のあるマテバシイ。たわわとなるのも特徴的です。
▲コナラはこちら。葉っぱ付きのも落ちていました。
葉っぱ付きのコナラのどんぐりをよく見てみると・・・
▲コナラに付いていた虫くい跡(赤矢印)
虫くいの痕跡がありました。
どんぐりは、虫たちのごはんやゆりかごにもなるんですね。
「今日からはじめる自然観察『これは何の木のどんぐり?』」でも、どんぐりと動物との関わりについて紹介しています。
そして、このウロコパンツのどんぐりたちの見分け方には、「おしりの形がへこむ?へこまない?」という識別点があります。これもよく見てみましょう。
▲左がコナラ、右がマテバシイです。
へっこんでいるのが見えるでしょうか。
▲マテバシイのおしり拡大。たしかにへこんでいます。
へこんでいるマテバシイのどんぐりの特技は、どんぐりが自立できること。
立てて、小さいボーリング遊びなんかも楽しいかもしれません。
最後にシマシマパンツの仲間です。
▲シマシマパンツ・シラカシのどんぐり
シラカシやアラカシはよく街路樹になっているところもあるので、見つけやすいどんぐりの一つかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
ちょっと探してみても、たくさん見つかるどんぐり。
ぜひ、お子さんと一緒に、また、大人だけでも、楽しく観察してみてください。
NACS-Jでは、会員・サポーターの皆さまに隔月お届けする会報を通じて、季節を通じた自然観察ネタなどをご紹介しています。
また、こうした自然観察を通じて、自然のしくみや生き物同士のつながりを伝え、自然をまもるための仲間を増やす「自然観察指導員」というボランティアの養成を行っています。
ぜひあなたもNACS-J自然観察指導員や会員・サポーターになって、日本の自然をまもる力になりませんか?