2022.08.05(2022.08.05 更新)
福島県昭和村などで計画されていた風力発電事業が事業廃止へ!
報告
専門度:
▲駒込湿原(福島県昭和村)(写真提供:小山抄子(おぜしかプロジェクト/NACS-J会員)
テーマ:生息環境保全環境アセスメント
フィールド:森林
福島県の「会津山地緑の回廊」で計画されていた、(仮称)会津大沼風力発電事業(事業者:日立造船株式会社)は事業廃止となりました。
本事業には、日本自然保護協会(NACS-J)が8月1日に、当地の自然環境の重要性から事業中止を求める意見書を提出していました。地元の反対も受け、日立造船株式会社が、当地が自然豊かで環境に配慮すべき場所であると理解し、4日に廃止を決定したものです。
今回の事業者の廃止決定は英断だと評価できます。しかし一方で、本来、地球環境保全に寄与するはずの再生可能エネルギー推進が、このような自然環境に多大な影響を与えうる場所で計画されること自体、本末転倒です。
再生可能エネルギー導入は、地球温暖化対策の観点からも推進していくべきです。今後、自然環境に十分に配慮した適切な場所で、風力発電を始めとした再生可能エネルギー推進が図られることを期待しています。
参考
「(仮称)会津大沼風力発電事業」の計画段階環境配慮書に関する意見書を提出いたしました(2022年8月)
福島県会津地域に日本最大の森林保護区が つくられることになりました。(2006年5月)
【話題の環境トピックス】再エネ推進で緑の回廊にも開発計画(2021年9月)