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2022.07.01(2022.07.01 更新)

~音・風・味・香り・温もり 見つける 感じる 伝えあう~ ネイチュア・フィーリング研修会・島根県を開催しました

イベント報告

専門度:専門度2

三瓶山の写真

テーマ:里山の保全環境教育人材育成自然観察ツール

2022年6月25日(土)~26日(日)にかけて、国立三瓶青少年交流の家にてネイチュア・フィーリング研修会を開催しました。

ネイチュア・フィーリング研修会・島根県

火山である三瓶山山麓の森の中での開催となり、遠くから近づいてくる風や雨の音、風に伴う森の香りと冷たい温度を肌で感じられ、まさに五感を使うこの研修にはもってこいのフィールドでの開催となりました。

島根県・NACS-Jが主催、国立三瓶青少年交流の家・島根県立三瓶自然館サヒメル・島根県自然観察指導員連絡協議会が共催という充実した体制で開催しました。

梅雨の時期の高原ということで、激しい雨と急な晴れ間といった変化に富んだ天候でしたが、予定通りのプログラムを実施できました。

最初に、ネイチュア・フィーリングとは何か?を体感しつつ要点を学ぶ野外実習を行いました。一本の樹を様々な角度から五感を使って詳しく観察する方法、植物の生長という「自然の時間軸」を手触りで発見する方法、五感で森の中の環境や構造を理解する方法を講師3名が担当しました。

  • 「あっここ目で見たらわからないけれど踏むと根っこがあるのが分かる!」
  • 「うわあ、これ何?気持ちいい?ふわふわ?」
  • 「ちょっと匂いもするな」
  • 「1年でこんなに枝が伸びたの?でもその前の年はあんまり伸びてない?何があったのかな?」

といった声があがり、そういった発見から対話を通して観察を深めていく様子を講師が体現していました。

葉の感触を確かめる参加者の写真

葉の感触を確かめる参加者の写真

草木の匂いを嗅ぐ参加者の写真

木の根を踏んでいる参加者の写真

講義では2021年頒布の新テキストを使い、ネイチュア・フィーリングの基本として五感それぞれの特徴等を学んだほか、解説をほぼせずとも五感を駆使し、質問や対話によって自然のあり様を発見する指導実例等を学びました。

からだの不自由な人との観察会での配慮点や、そもそも「障害」とは何なのか?といった内容も扱い、からだの不自由な人との観察会はより豊かな観察会になることを学びました。

講義の様子の写真

講師の話を聞く参加者の写真

講義の後は、目の不自由な人の誘導を練習したのち、「自然観察指導員講習会」同様に受講生自身がネイチュア・フィーリング自然観察会を企画し、そして受講生同士で実際に実施してみる実習を行いました。
観察会の実施実習では、受講生でペアを作り、参加者役は目隠しをし、目が見える人が頼りがちな「視覚」をあえて使わないことで、それ以外の感覚を研ぎ澄ませて行いました。

  • 「土の地面に入ったのが足の触感ではっきりわかる!」
  • 「傘の音ではなく、木の葉に雨があたる音を初めて聞いた」
  • 「短時間なのにすごくくつろげた」

といった感想が聞こえてきました。

目隠しをして木の感触を確かめる参加者の写真

目隠しをして木の感触を確かめる参加者の写真

講師への質疑応答タイムには、「目の不自由な方に色をどう伝えればよいのか?」「見えるからこそ恐怖心があり、生きものを触れない人がいる場合はどうすればよいか?」といった質問があがり、目の不自由な人の座談会での意見の紹介や、尖った部分があるなどの痛い動植物の部位の触り方などが講師から紹介されました。

最後には、

  • 「五感を使って自然の秘密を発見すると、博士みたいな気分になった」
  • 「からだの不自由な人との観察は高度だと感じた」
  • 「からだの不自由な人なんていない、皆一人一人個性をもった人間である」
  • 「固定概念を一度取り払えた」
  • 「もっと実習時間が欲しい」
  • 「種名など知識がなくても深められるため、逆に自然観察会のハードルが下がった思いだ」

といった多様な感想をいただきました。

研修会は名残惜しい雰囲気の中、幕を閉じました。

島根県庁の方の自然観察推進への熱い思い、島根県の皆さんの強力で連携のとれたサポートのおかげで、2日間スムーズに進めることができ、担当としても思い出深い2日間となりました。島根県のスタッフの皆様、受講生の皆様、本当にありがとうございました!

研修参加者の集合写真

☆今回、日本自然保護協会と一緒に主催した島根県の作成している『見つけよう 自分だけの 自然観察フィールド』は自然観察のポイントが分かりやすくまとまっているのでぜひ一度ご覧ください。

主催・共催のみなさま

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