2022.03.29(2023.09.22 更新)
Z世代からの招待状 高校生SDGs会議
イベント報告
専門度:
テーマ:環境教育生息環境保全人材育成森林保全
広報会員連携部の須藤です。高校生団体ollyからの依頼で、3月20日(日)、「高校生SDGs会議」という企画に参加し、四国のツキノワグマについてディスカッションしてきました。
遡ること、2か月半前、正月明けの1月初旬。NACS-Jの問い合わせフォームに高校生から連絡が入りました。環境問題に取り組むollyという学生団体でした。
以下、問合せ内容(原文ママ)
「私たちは現在、高校生が環境問題について興味を持ち、行動をしてみるきっかけをつくるために高校生SDGs会議というイベントを企画しています。具体的には、高校生に環境問題についての説明を行なっていただき、その後解決方法を一緒に考えてみるというものです。そこで、自然を保護していらっしゃる皆様に高校生SDGs会議へのご協力をお願いできないかと思っております。もしご検討いただけるようでしたら、一度ミーティングを行いたいと思っております。」
高校生から直接こういったお話しをいただくことは珍しいです。話をきいて協力したいと思い、引き受けることにしました。
何度かオンラインで打合せを進めるうち、高校生に話題提供するテーマは「四国のツキノワグマ」となりました。
「四国のツキノワグマ」は、NACS-Jが日本クマネットワーク、四国自然史科学研究センターと協働で進めているプロジェクトで、このテーマを取り上げることで、目の前に迫った生物種の絶滅の現状・原因・絶滅を引き起こす社会背景などを多角的に考えるには良い素材だと考えたためです。
3月20日、オンライン会議上に集まった22名の高校生の皆さんに上記のテーマについて解説した後、「四国のツキノワグマの絶滅に対して高校生の皆さんに何ができるのか?」という議題を出し、話し合っていただきました。
四国のツキノワグマの保護には、社会や地域の合意形成が必要不可欠ですが、そのためには、地域や社会に正しい理解と許容が根付いていなければなりません。では、四国から離れた場所に暮らす高校生に何ができるのか?私からはそのヒントを4つ示しました。
- 知ること
- 伝え、広めること
- 参加すること
- 寄付すること
3つのグループに分かれ、それぞれのアイデアを出し合ってもらいました。私はブレイクルームを回り、ところどころで助言しました。
話し合いが終わったところで、それぞれのグループからアイデアを発表してもらいました。主に2について、普及啓発に積極的なアイデアの数々が飛び出しました。驚いたことは、企業とのコラボレーションをしようというアイデアが多かったことです。例えば、商品にツキノワグマのパッケージを使用してもらうことや電車の広告をツキノワグマ一色にするといったアイデアで普及啓発を促すというものでした。
自分の高校生時代を顧みると、“高校生の自分にできること“の範疇に企業に働きかけることはなかったような気がします。また、現代的だなと思ったこととして、SNSを使った拡散でした。例えば、自分たちで「#クマ保護デー」を決めてクマのことを発信するムーブメントを起こす。ストリートファッションにツキノワグマを取り入れて発信して流行らせるなど活発なアイデアが出ました。自分たちの発信でムーブメントを起こせると信じていて、SNSが現れる以前の時代には想像も及ばなかったような波及範囲を今の高校生たちは認識しているのだと痛感しました(因みに私の高校時代はSNS黎明期でした)。これがZ世代か…!
SDGsは国、行政、企業、団体、個人のあらゆるレベルにおいてゴールを目指すことを唱っています。つまり、その旗は高校生の皆さんそれぞれにも託されています。最後に、私からは「これからの時代を生きる世代だからこそ、その旗振りを自ら先導してほしい」という願いを伝えました。“Z世代”の活躍に大いに期待します!