2022.03.02(2022.03.02 更新)
中池見湿地・谷の水確保に向けた対策を検討中
報告
専門度:
▲中池見湿地(2021年12月5日撮影)。影響が出ているのは唯一、湿地の水が外に流れ出る谷部分
テーマ:世界遺産モニタリング自然環境調査絶滅危惧種
フィールド:湿地
中池見湿地(福井県)は、ラムサール条約湿地に登録された直後に湿地を貫通する北陸新幹線のルートが公表された場所です。
NACS-Jと地元市民団体の働きかけの結果、より環境影響の少ないルートへの変更と、2018年には条約ガイドラインに基づく国内初の「環境管理計画」の策定が実現しました。2019年から湿地の水源の山のトンネル工事がスタートし、2020年にトンネルが貫通、昨年8月末についにトンネル内の防水工事も完了しました。
湿地本体には今のところ影響は出てないものの、一部の谷の湧水が減少したまま戻らず、地元団体などによる調査の結果、昨年はヘイケボタルやシャジクモなど湿地の生きものが減少しています。
昨年12月5日にNACS-J・地元市民団体と事業者が話し合い、今年初夏までに水を確保する方法を検討・実施することになりました。計画ではモニタリングの専門家委員会は今年12月で最後となります。
NACS-Jは今後も地元市民団体のモニタリング調査や、関係者と協力した環境管理計画の実施継続のための支援を行っていきます。
担当者から一言
リポーター
市民活動推進部 福田真由子
コロナ禍で2021年は中池見湿地が唯一の地方出張。久々に現場で皆さんとお話できました。