2021.10.29(2023.09.22 更新)
ニホンジカの低密度管理を進めています
報告
専門度:
▲9/10号会報で報告した、赤谷プロジェクトエリアでGPSを装着したメスジカの行動追跡のヒートマップ。6月末~9月末にかけては、半径約1.3kmの部分(赤色の濃い部分)に滞留している様子が分かる
テーマ:生息環境保全獣害問題里山の保全
フィールド:森林
ニホンジカの増加による森林生態系への不可逆的な悪影響は、日本の森林における大きな課題です。赤谷プロジェクトでは、ニホンジカが増加し過ぎる前の低密度を維持することを目指した前例のない取り組みを進めています。
モニタリング調査と並行して、低密度下における効率的な捕獲方法の開発を進め、2017年からは鉱塩を誘引剤として用いた捕獲を進めています。しかし、5年間に赤谷プロジェクトエリアで捕獲したニホンジカは5頭に過ぎず、低密度下におけるニホンジカの警戒心の高さに苦戦する状況が続いています。
一方、今年度は、ニホンジカの季節移動を把握して効率的に捕獲することを目指し、GPS発信機を装着して行動の追跡を開始しています。また、捕獲体制を地域全体に広げていくためにみなかみ町藤原地域の上の原で、森林塾青水と協力して捕獲試験を行い、2頭のオスジカを捕獲しました。
低密度管理のための捕獲技術と捕獲体制の構築が一歩ずつ前進しています。
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担当者から一言
リポーター
生物多様性保全部 萩原正朗
地域や関係者の皆さんと一緒に良好な状態の森林生態系を守れるよう努力します。