2021.03.15(2023.09.22 更新)
環境副大臣に「脱プラスチック基本法案」を提出!「砂浜ノート」もお渡ししました
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専門度:
テーマ:海の保全
フィールド:海岸海砂浜
2月22日に「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」のメンバーとともに、笹川環境副大臣にお会いして、NGOによる「脱プラスチック基本法案(※)」をご提案してきました。また、クラウドファンディングを通じてみなさんの支援で増刷することができた日本自然保護協会(NACS-J)の『砂浜ノート』もお渡ししました。
砂浜に打ち寄せる大量の海ごみの深刻さに、世界中でいろいろな取り組みが始まり、日本も今国会でプラスチック資源循環に関する法律の審議がなされました。
ただし、現在の日本政府の目標は、”2050年までに新たな海ごみの流出を止める”こと。一人当たりの排出量がアメリカに次いで世界2位の容器包装プラスチックについては “2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制”というものです。
「これでは遅すぎる」ということから、NGOネットワークでは、NGOによる法案を提案することにしました。
すでに大量のプラスチックが海に流れ出しており、2050年には今の3倍に増えていると試算されています。海洋中で細かくはなっても、なくなるわけではありません。プラスチックは化学物質を吸着する性質があり、有害化学物質を吸着したマイクロプラスチックが食物連鎖を通じて多くの生物、そしてわたしたち人間にも悪影響をもたらす可能性がわかってきました。
日本では、燃やして熱利用することもリサイクルのひとつと説明されていますが、これではCO2削減に逆行します。EUなどでは使い捨てプラスチックは、リサイクルの方法を考えるのではなく、廃止・使用禁止に移行しつつあります。こうした変革は、産業や経済への悪影響ではなく、新しいチャンスと考えられてもいるのです。
日本ではようやくレジ袋の有料化が始まったばかりですが、このまま周回遅れのランナーでいるのではなく、持続可能な産業への転換をリードしてほしいということもNGOからお願いしました。
笹川環境副大臣は、NGOからの提案に対し、プラスチック問題の解決には、課題を理解する人を増やすことが重要とコメントされていました。そこで、NACS-Jからは、「砂浜ノート」を贈呈。砂浜の自然の魅力と同時に、海ごみなどの問題も伝えていることをご紹介しました。
今国会で予定されるプラスチック問題の審議に向けて、減プラネットのNGOでは、与野党の各環境担当などにロビーイングを行っています。このゆくえにご注目いただきたいとともに、くらしの中のプラスチックを減らす方法をいっしょに考えていただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いたします。
※脱プラスチック基本法案についてはこちらをご覧ください。
2050では遅すぎる!海洋プラスチックごみ問題解決のため、NGOから「基本法案」を提案しました(2021年3月)