2020.12.11(2020.12.14 更新)
みかん畑でススキを使って草原を守りたい!若手自然観察指導員さんの取組み紹介と仲間募集
募集自然観察指導員
専門度:
テーマ:里山の保全
フィールド:里山
こんにちは。市民活動推進部の福田真由子です。
静岡県東伊豆町にある「細野高原」は、今でも毎年山焼きが継続され、様々な希少種がくらす120 haの広大なススキ草原です。
生態学を学び、地元にUターン就職で戻ってきた若手自然観察指導員の内山義政さんは、子供の頃から慣れ親しんだ草原で風力発電の建設や観光地化などが進められる中、細野高原の自然を守りたいとの思いで、NACS-Jが事務局を担う市民主体の里山モニタリング事業「モニタリングサイト1000里地調査」に登録し、植物調査を開始しました。
調査をしつつも内山さんは実際に草原の生物多様性を地元の方にどう伝え、対話したらよいのか考えていました。そのような中、NACS-Jが環境省と開催した研修プログラム「自然資源を活かした地域づくり実現塾」を見つけ、内山さんはそのヒントを得るためにこれに参加しました。
この研修は、2016年にIUCNが出した「Nature based Solution(自然を基盤とした社会課題の解決)」という考えを基礎にNACS-Jが作成したもので、地域の自然資源を活かすことで自然保護と地域の課題解決を同時に実現することを目指す人材を育成するプログラムです。
実現塾での講義や現場視察の中で、「そうだ、ミカン畑でススキを使っているじゃないか!」と地元の特産品のみかん畑でマルチング素材として細野高原のススキが活用されているのを思い出し、草原の自然環境の維持と観光・農業のブランド化を結びつける形で展開できないかと考えられたそうです。
まずは身近なところから仲間を増やしていこう、と内山さんは周りに声かけをはじめ、地元の関係者の方々とのつながりを得る中で「細野高原を守りたい」という思いで環境教育や観光に関心ある方など、様々な分野の方から声をかけていただけるようになったそうです。
内山さんは現在大学院に戻り、細野高原の観光・景観など様々な生態系サービスを守るために将来的に必ず必要になる保全上重要なエリアの区分をするための研究を行いつつ、自然資源を活かした地域づくりに向けて、着々と活動されています。
そんな内山さんのこれまでの取り組みが、東伊豆情報を発信するウェブサイトで紹介されました。ぜひご覧ください。
一緒に細野高原の調査を手伝ってくれる仲間を募集しています!
現在、内山さんは1人でモニ1000里地調査に取り組んでいます。植物調査の記録のほか、哺乳類や水環境の調査などができれば細野高原のことがもっとわかるようになり、広い地域でも調査が可能になります。
関心をもった方は、ぜひNACS-J里地調査事務局(E-mail:moni1000satochi★nacsj.or.jp)※までお問合せください。
※メールアドレスの★を@に変換して送信してください
自然を基盤とした社会課題解決「Nature based Solution」の考え方は、産業界でも関心が高まり、生物多様性条約の2030年目標の素案の中でも記載されています。
これを地域で実現するには、内山さんのように地域の自然を愛し、その価値を理解している人がいることが大切です。またそれを社会で実装していくためには多くの方の理解と協力が不可欠です。
全国の皆さまも、各地で頑張る指導員さんはじめ地域の自然を守る活動にぜひ応援をよろしくお願いします。
(写真提供:内山義政)
2013年当時の細野高原。山焼き管理で乾性草原から湿地までが連続して保全されている
▲火入れ管理のための防火線焼き(2020年秋)