2020.08.25(2020.09.04 更新)
加計呂麻島で市民参加型の砂浜調査をしました
イベント報告調査報告
専門度:
テーマ:自然資源自然環境調査
フィールド:砂浜海岸
保護部の安部です。
7月3日から奄美大島に行き、4日に加計呂麻島に渡り、西阿室(にしあむろ)と呼ばれる集落に行きました。
西阿室は加計呂麻島のちょうど真ん中にあります。(地図参照、赤枠の地域が阿室)
4日の午後に鹿児島大学の佐藤正典先生のご指導を受け、西阿室の砂浜生物調査を実施しました。
大人15名、子ども13名と集落の多くの方々にご参加いただきました。
▲観察会の様子
一見何もいないように見える砂浜ですが、少し穴を掘ると、クモヒトデやスナガニなどが見つかりました。
▲スナガニ
▲クモヒトデ
また移動中のオカヤドカリも見つけました。
▲オカヤドカリ
そのほかシャコガイ、タカラガイ、ガラガラ(海藻の一種)、多くの種類のサンゴ、カイメン、海藻などが打ちあがっていました。
▲集められたタカラガイなど
▲シャコガイ
マングローブの種類であるオヒルビとメヒルギも確認できました。集落の多くのみなさんに手伝っていただき、多くの生き物を記録することができました。
そして今回講師にお招きした佐藤正典先生は、実は西阿室に素敵なご縁があることがわかりました。この砂浜に流れ込む山田川で、以前に指導した学生さんが新種のトカシキナガレゴカイを発見したのです。
https://s1.373news.com/nie/wp-content/uploads/2020/01/es-sc-shinshugokai-19-12-28.pdf
この日も砂浜での観察会を終えて、川も見せていただきました。
お目当てのゴカイはこのときは見つからなかったのですが、川にすむミミズなどの生き物が見つかり、先生からは川から海へのつながり、陸と海のつながりがとても大切であるというお話をいただきました。
観察会終了後、佐藤先生お一人で河口の上流100mの場所に行ってみたところ、無事トカシキナガレゴカイを確認することができたそうです。
さて、翌日は駆け足で加計呂麻島の半分ほどを周り、美しい砂浜や面白い生き物がいそうな干潟を横目で見て、後ろ髪惹かれながら古仁屋(奄美大島)に戻りました。
▲加計呂麻島・徳浜にて。佐藤正典先生とNACS-J職員中野
今回の企画は「奄美の自然を守る会」の皆さまにご協力いただきました。ありがとうございました。
またこの豊かな島に戻り、生物多様性を解明する一端となる調査などを島の皆さまと一緒に実施したいと考えています!
▲西安室の海辺