2020.03.24(2020.03.24 更新)
コーヒーを飲むと絶滅危惧種が守れる コーヒーズープロジェクト、3月末日まで!
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専門度:
テーマ:絶滅危惧種
嗜好品として古代から人間の生活に取り入れられてきたコーヒー。毎日飲む方も多いのではないでしょうか?
生活に彩りを添えるそのコーヒーが、世界の絶滅しそうな生き物を守る寄付につながる「コーヒーズープロジェクト」が、3月末日まで日本各地のカフェやロースター、バリスタさんが参加して開催中です。
協力してくださっているカフェには、絶滅危惧種の動物カード(コーヒーズーカード*)とセットになった特別なコーヒーが準備されています。オーダーすると、代金の一部が国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)を通じて、日本自然保護協会をはじめとした絶滅危惧種を守る活動をしている自然保護団体への寄付になります。
*「コーヒーズーカード」にはイラストレーターの遠山敦氏による可愛い動物が描かれています。裏にはその動物についての情報も書かれているので、集めることで絶滅危惧種について学ぶことができるようになっています。
ありそうでなかった「コーヒーで自然保護」。実際のお店の方はどう思ってるのかなどを伺いに、今回、参加コーヒー店の1店舗である「UNLIMITED COFFEE BAR(アンリミテッドコーヒーバー)」さんにお邪魔してきました!
聞き手:日本自然保護協会 幸地彩子
話し手:UNLIMITED COFFEE BAR バリスタ 兼 広報担当 坪山真子さん
店舗情報:http://www.unlimitedcoffeeroasters.com/
東京都墨田区業平1-18-2 1F
TEL:03-6658-8680
■ 営業時間
火曜 12:00-18:00
水曜・木曜 12:00-22:00
金曜 12:00-23:00
土曜 10:00-23:00
日曜・祝日 10:00-22:00
定休日:月曜(祝日の場合は営業)
取材日:2019年12月19日
▲ スカイツリーが見える場所にある店舗
ーーなぜコーヒーズープロジェクトに参加しようと思ったんですか?
坪山さん:きっかけは、佐々木さん(コーヒーズープロジェクトの発起人で、絶滅動物園のプロデューサーでもある佐々木シュウジさん)からのご紹介でした。
基本的にコーヒーのお店なので、生産者からのコーヒーの仕入れと、お客様への提供というところまでが社会との関わり方の主な部分でした。
ですが昨今、生態系が崩れてしまうことによる生物としてのコーヒーの存続の危機も意識し始めたところでした。今後もコーヒーの提供自体を継続させていくためには、自然への配慮が必要不可欠で大切だ、ということを改めて意識して、参加をさせていただきました。
手にとってもらいやすいお値段でコーヒーを提供し、お客様に楽しんでもらいながら、少しでも環境の保全に貢献しながら、コーヒーという植物が存続できることをやっていけるのが一番いいのかなと、思っています。
ーーすごく大事な視点だと思います。自分自身がコーヒーをよく飲むので、大手コンビニみたいなところは持続可能じゃない気がしつつ、近いから・便利だからとすっと買って帰るようなことを、一消費者としてやってしまっています。自然にいいことをちょっと気にする社会の中で、自然を守ることが回り回ってコーヒーのためになるよ、というのを聞くと嬉しいし、安心しますね。
坪山さん:そうなんですよね。いいコーヒーをつくるためには・いいものを提供するためには…ということを長い目でみて考えたうえで、今回のようなプロジェクトに参加させていただくことによって、コーヒーというものが長く愛されて、自分たちの事業の継続につながれば良いなと考えています。
▲ 店内は木材の雰囲気が優しい。アルコールの提供もあります。
ーー 「コーヒーズープロジェクト」のための特別なコーヒー「パンダコーヒー」をつくる時の、何か裏コンセプト話とかあるんですか。
坪山さん:「コーヒーズープロジェクト」では、まず、コーヒーとセットになる動物を何にするかを決めます。当店は上野動物園が近くて、上野動物園と言ったらパンダ。じゃあパンダにしようか、となりました。そしてコーヒーは、これまで店頭では出してこなかったブレンドを出そうということになりました。店頭ではシングルオリジン(※単一品種で、かつ同一農場でつくられたコーヒー豆のこと)のみの提供でしたので、お客様に興味を持ってもらいやすく、プロジェクトにもつながりやすいかなと。また、パンダの白黒をイメージした、対照的なプロセス(生産処理)の異なる2種類のコーヒー豆をブレンドすることにしました。お客様にその話をすると、面白いと言ってくださる方が多くて、良い反応をいただいています。
▲ 「コーヒーズープロジェクト」のために作った「パンダコーヒー」。「コーヒーズープロジェクト」用のコーヒーをオーダーすると、各店舗で異なる動物のカードがもらえる。
▲ 裏にはその動物の情報と、コーヒー屋さんの情報が。
▲ 豆・粉でも販売。赤いパッケージは2月までの限定版。
ーー「パンダコーヒー」をつくることになったとき、お店のバリスタさんとか、店内での反応とか、何かあったんですか。
坪山さん:すごく面白い、という雰囲気になりました。ブレンドというと、基本的にはコーヒー豆のプロセスが近いものでブレンドするので、今回は逆にプロセスが対照的なものを合わせるブレンドにしました(※ パンダコーヒーは、コロンビアのナランホ(プロセス:ウォッシュ)と、エチオピアのアリチャ(プロセス:ナチュラル)のブレンドです)。
ーーなるほど。じゃ、結構チャレンジな感じだったんですね。
坪山さん:チャレンジな感じでしたね。なので、スタッフとしても新しい発見が多くて、すごく楽しませていただきながらつくりました。焙煎した日にちの経過によっても、感じられるフレーバーなどが変わってくるので、それがまた面白かったです。

▲ シカがロゴマークのUNLIMITED COFFEE BARさん。丁寧かつ美しいハンドドリップで淹れていただきました。
ーー実際に売り出して、お客さんとのコミュニケーションや自然への考えみたいなものに変化はありましたか?
坪山さん:ありましたね。やっぱりお客様自身もただコーヒーを楽しむだけじゃなくて、自然を守るための寄付をしながらコーヒーを楽しめるのがまたいい、って。コーヒーズープロジェクトのフライヤーも一緒にお持ち帰りいただく方がすごい多いです。
都内にいると、自然に触れ合う機会って本当にないじゃないですか。そう思ってて、「私、自然に対して何もできてない」とおっしゃる方が、結構協力してくださったり。
お客様の中には、「このプロジェクトに参加しているお店をちょっと巡ってみようと思います」とおっしゃってくれた方もいらっしゃいました。
▲ 店内に置いてあったコーヒーズープロジェクトのフライヤー
ーー手軽に自然保護とコーヒーを両立するためのコーヒーズープロジェクト参加ということでしたが、そうは言っても…他のラインナップより、ちょっとお値段高かったりするんですか?
坪山さん:高いことは高いんですけど…ただ、マイクロロットですとか、スペシャルロットと言って、コーヒーの入荷が少ないものよりかは安価です。リーズナブルなものと、ちょっと高いものの間くらいのお値段です。
ーーじゃあ、名前が難しい上に高いような、価格を見て萎縮するようなコーヒーでは全然ない…?
坪山さん:ないです。お手頃な千円以内で購入できます。
ーーあ、素敵!今日、私もお土産に何か買って帰ろうと思ってます。(※実際、5つ買って帰りました。)
坪山さん:是非、是非。
▲「パンダコーヒー」のフレーバーは、華やかな紅茶のようで、これがコーヒー!?こんなコーヒー!?と何回も聞き返すような素晴らしいもの…。時間が経つと甘いようなまた異なる味に。語彙力貧困なのが悔やまれるほど美味しいコーヒーでした…100グラム税抜900円です。
ーーパンダコーヒーをこれから飲もうかなと思う方たちに、何か一言いただいてもいいですか?
坪山さん:白黒ふたつの真逆な色がそろうパンダという動物からヒントを得て、プロセスの異なるコーヒーをブレンドして生まれたパンダコーヒーの、フレーバーやテクスチャ―などを楽しんでいただければ一番いいなと思っています!さらに、プロジェクトに参加した意義でもある、自然を守るという視点で今後も美味しいコーヒーを飲んで頂くために、カードに記載されている動物のことを少しでも考えてくれたら嬉しいなと思います。
ーーありがとうございました!!!
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