2019.10.18(2020.01.07 更新)
海を守ることで、世界の希望も守りたい『 辺野古・大浦湾を日本初のHope Spotに!』
報告
専門度:
テーマ:自然資源生息環境保全
世界の重要な海を守るHope Spot
世界中の海を潜って自身の目で見てきた著名な女性海洋研究者シルヴィア・アール博士が率いる、ミッションブルー(Mission Blue)というNGOが米国にあります。ミッションブルーでは世界的に重要な海をHope Spotとして登録し、保護の網をかけることを2009年から実施しています。
これはアール博士が、2009年に大規模な世界的講演会「TED」で行ったスピーチの中で、世界規模の海洋保護区のネットワークをつくり、海を守ることで人類の希望も守ろうと提案したことから始まりました。
世界で約110カ所以上が登録されており、サンゴ礁が広がる南の海から氷の張る南極や北の海、海山や深海まで多様な海が登録の対象とされています。
辺野古・大浦湾の海域を登録申請中!
NACS-Jは辺野古・大浦湾をこのHope Spotに登録できるよう、じゅごんの里やジュゴン保護キャンペーンセンターなどの団体とともに今年5月に申請書を出しました。
申請書では希少種や新種、生物の移動に関する情報などの生物多様性に関する情報、文化的な価値に関する情報、観光価値、美しさ、教育プロジェクトや科学的研究の有無、Hope Spotに登録された際に地域住民の支援が得られるか、政府の海洋保護区など日本の海の保護に対する情報についてなど先方の質問に答える形で詳細に書きました。
現在、14名の専門家からなる審査委員会の審査を受けています。日本には登録地がなく、今回登録されれば日本初となります。
申請書の最後には辺野古・大浦湾がどのように希望を与えるかという質問もありました。ここに書いた答えを紹介します。
「辺野古・大浦湾をHope Spotとして宣言することで、この場所が持つさまざまな特徴が検証され、多くの利害関係者による努力が実るだろう。そしてほかの専門家、組織、そして日米両政府を含む団体と協力してこの地域を保護するための政治的手段を得る一助になるだろう」
私たちは辺野古・大浦湾をHope spotに登録して、海の保全のお手本となるようにし、持続可能な観光と教育の場にしていきたいと思います。
バハマのエッグアイランドではディスニー社のクルーズ船の寄港計画を追い出し、そこに二度と類似の計画が来ないよう保護区にする意図でHope Spotに申請が出され登録されています。ニュージーランドのHope Spotでは、マウイイルカとセッパリイルカの混獲を防ぐためにパブリックコメントを集めるなどの取り組みを進めています。
これらのHope Spotの先輩方と辺野古・大浦湾も肩を並べ、この財産を次の世代に残せるようにしたいと思います。
保護部 安部真理子