2019.07.18(2019.10.15 更新)
【募集終了】日本初!シカの低密度管理を目指して@赤谷の森 センサーカメラと罠のオーナーになって応援しよう!【たくさんの申し込みありがとうございました】
ご寄付
専門度:
テーマ:森林保全獣害問題
フィールド:赤谷の森
日本の自然保護にとって大きな課題となっているシカの増加。シカを低密度で管理する手法の開発にはセンサーカメラと罠の設置が欠かせません。センサーカメラと罠のオーナーになって活動を支えてくれませんか?
センサーカメラと罠のオーナーになって応援しよう!ちらし(980KB)
ニホンジカの増加を止め、害獣から森の住人へ
ニホンジカ(以下、シカ)の増加は、日本の森における最大の課題です。
いま各地で対策が行なわれています。しかし、農林業の被害や生態系の破壊など、被害が確認できるほど数が増えてしまうと、捕獲はもちろん、傷ついた森林の管理に膨大なコストが必要となります。そのため、森林が長く健全であるためには、シカが増える前の“低密度”の状態で管理することが、不可欠だと考えています。
日本自然保護協会(以下、NACS-J)では、私たちの活動地のひとつ、群馬県の「赤谷の森」(群馬県みなかみ町)をフィールドにして、昨年度に引き続き、“低密度管理”のための捕獲試験を行います。
野生動物と共存する新しい技術として、この取り組みへのみなさまのご支援をお願いします。
オーナー制度の概要
オーナーの募集期間
2019年8月末日まで(募集終了)
センサーカメラのオーナー
期間:2019年9月上旬~2020年3月末までの半年間
オーナー特典
- オーナーとなったセンサーカメラの設置場所の情報を提供いたします。
- 1ヶ月に一度、オーナーとなったセンサーカメラに写った画像をご提供。赤谷の森では、約20種類の哺乳類が映ります。どんな動物が映るかはお楽しみ。赤谷の森の「日常」をお楽しみください。
- 試験で捕獲したシカの革 ※1 を使ったグッズを1つプレゼント。
罠のオーナー
期間:2019年9月上旬~2020年3月末までの半年間(罠の設置は10月~11月中旬)
オーナー特典
- オーナーとなった罠(くくり罠)の設置場所の情報を提供いたします。
- 1ヶ月に一度、オーナーとなった罠に向けて設置したセンサーカメラに写った画像をご提供。オーナーとなっていただいた罠でシカの捕獲(学術捕獲)が成功するかどうか、その一部始終をご覧いただけます。
- 試験で捕獲したシカの革 ※1 を使ったグッズを1つプレゼント。
- 寄付者限定のシカ肉イベントにご招待!
※1 捕獲できなかった場合や、十分な量のシカ革が確保できなかった場合は、尾瀬等で捕獲されたシカ革となります。ご了承下さい。
オーナー特典のオリジナルグッズ
▲クマ鈴
▲印鑑ケース
▲ポーチ(名刺サイズ)
センサーカメラではこんな写真が撮れます!
現地のご案内もいたします!
私たちは、1月と2月を除く毎月第一土日に「赤谷の日」というボランティアの活動日を設定しています。赤谷の日にご参加いただければ、オーナーになっていただいたセンサーカメラと罠の設置場所をご案内いたします!
参考
新手法でニホンジカの捕獲試験を開始(2017年度試験)
2018年度のニホンジカ捕獲試験
センサーカメラ調査ってどんなもの?
申し込み・問い合わせ先
日本自然保護協会(NACS-J)
TEL:03−3553−4107
担当:松井、出島
なぜこの取り組みを行うの?
求められるシカの「低密度管理」
今、シカは全国で分布域を急速に広げています。高密度に生息する地域では、農林業被害に加え、自然林の世代交代を妨げ、土壌の流出を引き起こしたり、希少な植物を食べて減らしてしまうなど、生態系や生物多様性の保全上大きな脅威となっています。
シカによる環境への影響は、被害が大きくなってから元の状態に回復させることは難しく、被害が少ない低密度で生息する段階での対策が求められます。
しかし、低密度でのシカの管理・捕獲技術は未確立で、ほとんど実施されていません。赤谷プロジェクトでは、2008年から調査を行っており、ニホンジカの確認地点数がこの10年間で12倍に増加と急激な増加が見られるものの、もともとの数が少なかったため、植生に大きな影響はでていない低密度の状況です。
これ以上増加させない低密度の管理が今、赤谷で求められています。また、この管理技術を現在シカが増加している他の地域に広げることも、同時に求められています。
▲10年間でニホンジカ確認地点が12倍(51地点調査中の確認地点数)
こうした背景を赤谷プロジェクトでは、シカの管理・捕獲技術の開発を行っています。
2018年度には鉱塩(塩のかたまり)にシカがおびき寄せられる性質を利用し、鉱塩と3種類の罠による組み合わせでのシカの捕獲試験をおこなった結果、くくり罠で1頭のオスジカを捕獲することができました。
たった1頭かもしれませんが、期間・罠の設置数が少ない中での成果であり、捕獲効率では、近辺でより高密度地域での実施例よりも高い効率となりました。
一方で、捕獲の期間・罠の数がともに少なかったため、きちんとした評価を行うためには、より多くの調査を行う必要性があります。
2019年度の捕獲試験について
2018年度の捕獲試験の結果を受け、2019年度は「 1. 鉱塩の設置によるおびき寄せ」と「2. くくり罠による捕獲」の大きく2つの行程で試験を実施し、低密度下での効率的な捕獲方法を検証し、現在シカが増えつつある場所への技術提供を目指します。
1.鉱塩の設置によるおびき寄せ
赤谷の森に鉱塩+センサーカメラ(動物が通ると自動的に撮影してくれるカメラ)の組み合わせを10地点程度設置し、鉱塩によるおびき寄せの状況を確認します。この中で特にニホンジカの出現が多くみられる場所で、次のくくり罠による捕獲を行います。
▲鉱塩に集まるシカ(センサーカメラによる撮影)
2.くくり罠による捕獲
シカが多数みられる地点において、くくり罠による捕獲(5地点×1地点辺り3台設置の予定)を行います。捕獲にあたっては、捕獲されるかどうかだけでなく、一度捕獲された地点で再度の捕獲があるか、設置してからどれぐらいの期間で捕獲されるかなど、捕獲の効率などについても調査、評価します。
▲くくり罠
ご寄付の使い道
低密度管理手法の開発のために必要なセンサーカメラと、罠の購入費用、および調査費用に役立たせていただきます。
申し込み・問い合わせ先
日本自然保護協会(NACS-J)
TEL:03-3553-4107
(担当:松井、出島)