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2019.02.04(2019.02.06 更新)

生物多様性 ~世界目標へのアジアの視点~

報告

専門度:専門度3

参加者の顔ぶれ(写真)

政府だけでなく、国際機関、NGO、自治体、ユースなど多様な人々が参加

テーマ:生物多様性条約

2019年1月28日から1月31日にかけて、2010年に生物多様性条約COP10が開かれた愛知県名古屋市国際会議場にて、ポスト愛知目標を考えるアジア・太平洋地域会合が開催されました。

1名しかなかった日本のNGO参加枠に対して、日本自然保護協会の道家哲平が出席し、日本における愛知ターゲットの進展、民間からみた課題などを提案してきました。


2020年中国北京で開催される生物多様性条約COP15にで採択される「ポスト2020枠組み(または、ポスト愛知目標)」を検討する地域協議の場としてが開催され、多様な意見が提示されました。

参加者は、アジア(西アジア・南アジア・中央アジア・東南アジア・北東アジア)の政府関係者に加え、GEF、FAO、IUCN、ASEAN、UNU-IAS、IPBES等の国際機関の参加、海外のNGOや先住民地域共同体などおよそ120名ほどでした。

参加者からは、非常に有意義な会合であったとして、日本政府・愛知県・CBD事務局の主催者に対して感謝の意が表明されました。

ポスト2020についての主な意見について(この会合は、多くの意見を出すことが中心のため、合意を得るものではありません。多数意見をここでは列挙します)

  • ポスト2020は重要な目標であり、もっと協議を深めていく必要がある。
  • 愛知ターゲットの主な要素やフレームワークを維持したほうがよい。
  • ポスト2020の設定については、それをどう実施するか、実施のためのガバナンスは何が効果的かを考えることが重要。効果的に実行されるために必要なものは、主流化・能力養成・レポーティング(報告)の改善・多様な主体の参加・(人・金・技術の)資源動員・地方自治体などとの縦の連携、指標群の設定、コミュニケーションの強化(ポスト2020そのものに加え各国での展開に向けて)など。

 

ブレスト(写真)
▲グループワークの成果の一つ。道家も記録係としてまとめることもあった。

 

この会合は、NGOも自治体も、政府に混じって自由に発言できる参加型で透明性のある会合となりました。道家からは、ポスト2020の検討プロセスだけでなく、次の国家戦略の策定やその見直しの過程でも、同様の参加が行われるべきと提案しました。

また、COP10以降の日本の取り組み、にじゅうまるプロジェクト、UNDB-J(NBSAPの運営メカニズムや主流化推進策として)や、日本の企業の取り組み事例を紹介し、関心を集めました。

ポスト2020の目標設定よりも、その目標設定をどう実施するかについての意見が多く出されました。一方で、既存の枠組みを維持して、本当に、変革(トランスフォーム)を起こせるのだろうかという疑問も出され、今後、本質的な議論が進んでいくものと思われます。

引き続き、日本自然保護協会および国際自然保護連合日本委員会で、この動きをフォローアップしていく予定です。

 

グループワークの様子(写真)
▲グループワークの成果を発表する参加者

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